▼事業者と共にゼロカーボンをめざす
「脱炭素に向けて市内事業者も様々な取組を行っているよ!」
◇2023 ZERO CARBON DAY
11月16日にオリーブベイホテルでカーボンニュートラル啓発・情報発信を目的に「2023 ZERO CARBON DAY」を開催しました。市内企業をはじめ、多彩なゲストも登壇し、脱炭素社会に向けてデジタルやテクノロジーの活用など、“最前線”のトークセッションが繰り広げられました。また、屋外テラスでは、市内の事業者によるセッションや、多彩なブース出店などもあり、様々なカタチで「脱炭素社会の実現」に向けた取組などが紹介されました。
【ZERO CARBON DAYで登壇した市内事業者の取組を紹介します】
〇大島造船所が取り組むカーボンニュートラル
株式会社 大島造船所
気候変動問題の解決のために世界が脱炭素化に向けて急速に動き出す中、海運・造船業界においても温室効果ガス削減の取組が加速しています。
当社では、次のような新技術の開発と船舶への適用を通じて海上物流の脱炭素化と環境負荷の低減に積極的に取り組んでいます。
(1)ウインドチャレンジャー搭載船(2022年竣工)
伸縮可能な帆(硬翼帆(こうよくほ))によって風力エネルギーを船の推進力に変換する装置を搭載した船。
(2)LNG(液化天然ガス)燃料船(2023年竣工)
従来の舶用燃料油である重油に比べ、CO2だけでなくNOx(※1)、SOx(※2)といった有害物質の排出削減を見込める次世代燃料であるLNGを燃料とする船。
(3)アンモニア燃料船
アンモニアは燃焼時にCO2が発生しないため、完全ゼロエミッション(※3)を達成しうる次世代燃料の一つとして注目されており、現在開発を進めている新燃料船の一つ。
〇GENESIS(ジェネシス)松島計画~カーボンニュートラル実現に向けて~
電源開発株式会社(Jパワー)
GENESIS松島計画は、運転開始から42年が経過した発電所2号機に石炭ガス化設備を付加し、新技術である石炭ガス化複合発電に更新するものです。具体的には、石炭を蒸し焼きにすることで水素を含む可燃性ガスを生成しガスタービンで発電。加えて、回収した排熱によりさらに蒸気タービンでの発電も行っていきます。
将来的には、バイオマス燃料などの混焼、CCUS(CO2回収・利用・貯留)も組み合わせることでカーボンニュートラルの実現を目指していきます。
昭和初期までは『炭鉱の島』、発電所の運転開始以降は『電力の島』と称されてきた松島が新たにカーボンニュートラルを象徴する島となるよう、地域の皆様のお力添えをいただきながら一歩一歩取組を進めていきます。
本計画についての詳細はこちらから⇒(本紙6ページにQRコードを掲載しています)
〇ダイヤソルトにおける脱炭素の実現に向けて
ダイヤソルト株式会社研究所
当社工場では、年産20万tの食用塩を製造販売しております。
製造過程においては多量の蒸気や電力を消費していることから、研究所では2030年カーボンニュートラル対策(2016年比CO246%削減、2050年にはゼロ)に向けて、石炭ボイラの燃料転換および燃料削減対策、発生する二酸化炭素(CO2)の固定化技術開発、省エネルギーの推進、再生可能エネルギー装置導入等、調査および実用化研究を実施しております。
CCU(CO2回収・利用)においては、無機塩製造(炭酸塩)によるCO2固定化技術の確立、海洋を利用した浸透圧発電(再生可能エネルギー)の導入等、当社工場の特徴を活かしたカーボンニュートラル対策を推進し、西海市の一企業としてゼロカーボンシティの達成に向け努力する所存です。
※1 窒素酸化物
※2 硫黄酸化物
※3 廃棄物の排出を限りなくゼロに近づけること
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