■「透析について」
平井内科
平井義修 先生
腎臓には、水分や電解質を調節したり、身体に不要となった老廃物を排出する働きなどがあります。その働きが低下し、日常生活に差し支えがでてくると、透析や腎臓移植が必要になります。腎臓移植は日本では少なく、献腎(死体腎)による移植を受けようとすると15年近く待たなければなりません。したがって、透析を行うことになります。
透析には、血液透析と腹膜透析があります。腹膜透析は内臓を覆っている腹膜を利用して血液をきれいにする方法です。腹膜透析は血液透析に比べ通院回数が少なく水分や食事などの制限も少なくなりますが、腹膜に入っているチューブの清潔管理がきちんと行われないと腹膜炎などの合併症を起こすなど管理が大変であり、ほとんどの人が血液透析を行っています。
現在30万人以上の患者さんが透析を行っており、毎年3万人以上の人が新規に透析を始めています。血液透析は週に3回、1回あたり4~5時間の治療が必要です。水分や食事の制限も必要です。また、シャント手術が必要で管理も必要です。ただ、日本の血液透析の水準は世界でトップレベルであり、透析患者さんは、世界で最も長生きをしています。安心して透析を受けてください。
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