◆「くも膜下出血」
森の木脳神経脊髄外科 古賀久伸先生
脳疾患の中で最も注意すべき、恐ろしいものがくも膜下出血です。多くが脳動脈瘤という脳血管に風船のような膨らみ(瘤)が出来て、その壁が薄くなって破れて発症します。瘤は破裂するまでは、無症状で経過することがほとんどです。脳ドックなどの検査で発見されるものは、未破裂脳動脈瘤といいます。瘤が破裂した時は、激烈な頭痛が起こります。一度破れた瘤は必ず再破裂を起こして命に関わりますので、直ちに外科的処置が検討、施行されます。CT撮影で診断し、MRI検査や脳血管撮影検査で瘤の場所や状態を確認して手術を行ないます。手術は開頭による脳動脈瘤クリッピングとカテーテルを用いて脳動脈瘤内にコイルを詰め込む方法があり、最近は後者の血管内手術方法が増えています。
通常の頭痛やめまいの検査で発見される脳動脈瘤は未破裂なので、直ぐに手術を行なうことはありませんが、脳動脈瘤の場所や大きさや形や年齢などを考慮して、危険があると判断されれば、手術を検討します。また小さくても一度できた脳動脈瘤は自然に消えることはありませんので、変化がないかを定期的に検査します。
喫煙や大量飲酒、高血圧、家族歴などが危険因子ですので、このような方は一度検査を受けられることをお勧めします。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>