■B型肝炎とワクチン
◇B型肝炎ウイルスによる肝障害
脂肪肝、C型肝炎、アルコールによる肝障害に次いで多い肝臓病に、B型肝炎ウイルスによる肝障害があります。B型肝炎には、(1)ウイルス感染のあるお母さんからの出産時あるいは小さい頃に感染し、感染が継続する「持続感染」と、(2)成人してから感染する「急性肝炎」の2つの場合があります。
◇B型肝炎ウイルスの感染
B型肝炎は、血液などの体液から感染するため、十分な対策のないピアスや入れ墨、覚せい剤の注射器まわし打ち、性行為などでも感染します。急性肝炎の多くは、わずかにウイルスは残るものの治りますが、時に激しい肝炎(劇症肝炎)を起こして死亡することやまれに持続感染となることもあります。
医療従事者や救急隊、福祉施設、パートナーが持続感染の方などの希望者にはワクチン接種が実施されています。
◇0歳児全員へのワクチン接種
日本では、1986年から、妊娠時肝炎検査を行い、母児間での感染予防のためワクチンなど予防策がとられ、赤ちゃんへの感染は激減しましたが、右記のような感染や国外からの持ち込み感染も続いています。そこで、B型肝炎を根絶するため、2016年10月から、0歳児全員にワクチン接種が開始されました。
◇肝臓は沈黙の臓器
B型肝炎に持続感染していても、あまり肝臓が悪くはならない方(無症候性キャリア)も多いのですが、慢性肝炎から肝硬変、さらに肝がんとなる場合もあります。
ただし、病気が進行しても自覚症状がないことが多く、医療機関での検査が必要です。肝炎の検査結果が陽性であれば専門医による診断と治療の必要性の判断が必要です。
※上田市では肝炎検診を実施しています
◇定期的な検査や診察を
近年、B型肝炎ウイルスを劇的に減らす飲み薬により、病気の進行が抑えられるようになりました。また、落ち着いていて飲む必要のない方も多いのですが、病気の進行や肝がんの発症を早期に発見するため定期的な診察は必要です。
感染しているか不安な方はまず検査を受けましょう。また、検査で陽性でも医療機関に受診していない方は、かかりつけ医へ相談し、症状がなく肝機能が正常であっても、一度専門医に紹介してもらいましょう。
問合せ:地域医療政策室
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