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公民館報いな-特集 ゆく年くる年 年末年始の行事(1)

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長野県伊那市

新型コロナが5類に移行され中止となっていた地区の行事が再開されたり、新たなイベントが開催されたりするなど、少しずつコロナ禍前の活動を取り戻しつつあります。そこで今回は、年末年始に行われている各地区の行事を紹介します。

■福島区(ふくじまく)蕎麦打ち講習会[伊那公民館]
福島区では毎年、区民から参加者を募って、1月に蕎麦打ち講習会を開催しています。
蕎麦打ち講習会で使用するそば粉は「福島グリーンランド保全の会」の皆さんが、区内にある休耕田を使って、種蒔から収穫まで行い、そこで取れた福島区産のそば粉を使用しています。
講師からアドバイスを受けながら、そば粉を捏ねて薄くのばし、細く切り麺状にした後、ゆで上げます。
そば打ちにおいて、捏ねる・のす・切るなどの工程には、それぞれに応じた技術を要し、全ての工程を一人でこなせるようになるには、かなりの練習が必要です。
単純と思われる作業でも打ち手それぞれの個性や特徴が表れるもので、そばを食べ比べながら違いを感じ、みんなで和気あいあいと交流できるのも楽しみの一つです。試行錯誤しながらも自身で打った「そばの味」は格別なものです。

■「奈良尾(なろお)のどんど焼き」[富県公民館]
富県北新区、奈良尾常会の「どんど焼き」は、地区内の子どもから大人・お年寄りまでもが集まり、わいわいがやがやの雰囲気の中で行われます。役目を終えたダルマやお飾り、書き初め等を持ち寄ってお焚き上げを行い、その火で正月にお供えした餅やみかん・まゆ玉を焼いて食べると、ご利益があるといわれています。
その歴史は古く、1470年代(室町時代初期)から続く伝統行事であり、正月の門松等でお出迎えをした年神様をお見送りする「送り火」と、集落の人々の新年の災いを払い「無病息災を祈る」の二つの役割があります。
奈良尾の「どんど焼き」は「感謝と祈りの場」だけではなく、新年に地域の人々が集まる「つながりの場」「活性の場」、そして「憩いの場」にもなっています。

■美篶地区安全祈願祭[美篶公民館]
美篶地区では、1年の安全を祈願する「美篶地区安全祈願祭」が年始の恒例行事となっています。
式典には区長会をはじめ交通安全協会、地元消防団など各種団体の代表者が参列し、祭壇前で宮司が祝詞をあげ、参列者が玉串を捧げます。そして、ダルマに目を入れて美篶地区の1年間の無事を祈ります。
新型コロナ感染拡大前は、100名近い方が参列していましたが、コロナ禍でも規模を縮小するなどし、厳粛に開催されてきました。
最近は日本各地区で大きな災害が多く発生し、地域で防災・減災の準備をすることが求められています。安全祈願祭を通じて、各種団体が連携し、自分たちが住む地域の安心安全を守っていく意識を高める新年の重要な行事になっています。

■下手良(しもでらあがっと)しめ縄作り講習会[手良公民館]
下手良地区では、恒例行事として12月初旬に下手良公民館主催で「しめ縄作り講習会」を開催しています。
令和5年も12月3日に開催されました。親子連れで参加する方もいれば、自分の手で「しめ縄飾り」を作り、正月を迎えたいという方々など大勢の皆さんが参加します。
講習会には、地元の大照神社の総代の皆さんも参加し、新年を迎える神社に奉納するしめ縄を何本も作ります。
材料となる藁は地元の有志の方々が用意してくれます。また、しめ縄飾りにつける飾りは下手良公民館で用意をします。
講師のしめ縄作りの名人から懇切丁寧に教えていただけるので、初心者でも気軽に参加でき、講習会はいつも盛況です。
しめ縄づくりを通して三世代交流の場にもなっています。

■春近神社の「年越しの大祓い」と「歳旦祭」[東春近公民館]
春近神社では年末年始に「年越しの大祓い」と「歳旦祭」という行事が行われています。
「年越しの大祓い」は大晦日から新年に向けて行われ、白衣と白袴の祭典委員が宮司とお祓いを済ませた後、神前に玉串を捧げ、その年の平穏に感謝します。その後、境内には篝火が灯され焚火が焚かれます。お参りに来た人には紅白餅と甘酒が振る舞われ、お守りや縁起物も販売されるなど賑わいます。
明けて元旦には「歳旦祭」が行われ、祭典委員や区長など20人ほどがお祓いを済ませた後、神殿に上り、宮司から祝詞があげられ、参列者が神前に玉串を捧げて新年の幸せと平穏を祈願します。

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