■横町(よこまち)分館
横町分館は美篶区12分館ある中の一つで、美篶地区の東部に位置する世帯数が一番少ない集落にある分館です。
地名の由来は、室町時代の末期にこの付近で「一日市場(ひといちば)」が開かれていて、その横にある町ということで「横町」と名付けられたと言われています。
由来の古い地名ですが、横町区の歴史は浅く、昭和30年代頃に芦沢区からの住民と高遠町・長谷地区から移り住んだ10数軒が芦沢区の12班を形成し、その後昭和48年に芦沢区から分離したことが「横町区」の始まりです。
それ以降は伊那市直轄の常会として活動していましたが、区として正式に登録していなかったため、平成21年に美篶の12番目の区である「横町区」として登録し、現在に至っています。
歴史が浅く、色々な地域から移住して来た住民が多いこともあり、伝統行事などは少ない状況ですが、分館では本館との共催行事のほかに敬老会や夏休みのラジオ体操の後援などの活動をしています。その中で今回は11月末に行っている「しめ飾り作り」について紹介します。
横町公民館では秋に収穫した稲わらを使い、正月に自宅に飾る「しめ飾り」を作ります。子どもたちもお父さんお母さんと一緒に参加し、経験豊かなお年寄りに教わりながら縄をない、縁起飾りなどを取り付けてしめ飾りを完成させます。横町区では稲作を行っている農家は非常に少なく、材料の調達も中々大変ではありますが、三世代でコミュニケーションが取れる、とてもよい機会です。また、自分で作ったしめ飾りで正月を迎えることは伝統を守ることにも繋(つな)がります。
新型コロナウイルス感染症が5類に移行後もこの分館行事を大事にしていきたいと考えています。
横町分館長 髙橋薫(たかはしかおる)
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