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公民館報いな-ふるさと発見[西春近公民館]

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長野県伊那市

■西春近南小学校遺跡
令和元年に、西春近南小学校を含む「西春近南小学校遺跡」の一画が宅地造成されることになり、事前に発掘調査が行われました。それまでの「遺跡地図」によると、この遺跡には平安時代の集落跡があることになっていましたが、弥生時代、古墳時代、奈良時代の住居跡が新たに見つかりました。特に、古墳時代の住居跡は、出土した土器から、前期末から中期の初め(4世紀末〜5世紀初め)のものであることがわかりました。伊那市内で古墳時代の住居跡が見つかるのは5例目ということで、大変貴重な資料となりました。
令和4年にも発掘調査が行われ、多くの建物跡が発見され、ここに大きな集落があったことがわかってきました。この時の発掘調査では、新たに古墳時代の竪穴住居跡2軒、奈良時代の竪穴住居跡4軒、掘立柱建物や井戸も発見されました。弥生時代から、この地に多くの人々が集落を形成していたことが推察されます。
また、東春近に所在する老松場古墳群の中の一つが、平成29年に始まった測量調査と発掘調査で、5世紀前半の「前方後円墳」であることが判明しました。もしかしたら天竜川をはさむ西春近南小学校遺跡に住んでいた古墳時代の人々が、対岸の権力者の前方後円墳造成の大事業に参加していたかもしれません。そんな歴史ロマンに思いをはせるのも遺跡考察の楽しみと言えるでしょうか。
遺跡の場所には現在6軒の家が建てられています。出土品や遺跡資料は伊那市創造館に保管され、展示もされています。興味のある方は、是非足を運んでみてください。

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