令和6年6月伊那市議会定例会の一般質問は、6月18日、19日、20日の3日間にわたって行われ、19人の議員が質問に立ちました。質問と答弁の主な内容をお知らせします。
■池上謙(いけがみけん)
▽国土交通省の天竜川水系河川整備計画に「戸草ダム建設」という文言を明記する要望について
問:池上謙議員…河川整備計画原案が発表され、地元説明会も行われたが、「新設ダム」としか明記されていない。既に下流域の安心安全のため、戸草ダムの用地を提供した地元の願いを早期に実現するため、基本計画には「戸草ダムの建設」の文言を明記するよう、国に強く要望されたい。
答:市長…国交省は、地元の切なる要望であることは十分理解している。また「新設ダム」とは「戸草ダム」であると我々も理解している。引き続き流域市町村が連携して要望をしていく。
▽長野県関係機関などとの戸草ダム建設に係る意思の疎通と国への要望活動の更なる強化について
問:池上謙議員…基本計画は、今後長野県知事などの意見を聞いて最終変更される。三峰川総合開発事業促進期成同盟会の会長として関係機関などと意思の疎通を図り、国への要望活動を更に強化してほしい。市長同盟会には、下伊那
答:市長…同盟会には、下伊那の沿川市町村議会議長も加わるなど、組織強化をしてきた。引き続き、県や諏訪湖流域治水期成同盟会とも連携して要望活動を行なっていく。
■湯澤武(ゆざわたけし)
▽流域治水の強化と、戸草ダム建設推進について
問:湯澤武議員…天竜川水系河川整備計画の変更案に明記されなかった「戸草ダム」建設を強く推進すべきだが。
答:市長…「新設ダムの検討」とは「戸草ダム」であることは自明。流域全体の市町村の願いでもあり、しっかり連携して強く要望していく。
▽教育移住・教育旅行によるブランド化と、伊那谷フィルムコミッションの強化について
問:湯澤武議員…伊那谷フィルムコミッションの活動を予算化すべきだが。
答:市長…伊那市の観光の重要なアイテム。ロケ地マップを更新するなど情報発信を強化したい。
▽フィンランド教育から学ぶ、日本一の学びのまち伊那市について
問:湯澤武議員…子どもの学びと居場所としての仮称「伊那市森と学びセンター」を市民の森に設置すべきだが。
答:市長…共感するところがある。森林関係者や教育関係者、官民一体となって進めていきたい。
■原一馬(はらかずま)
▽信州そば発祥の地伊那を市内小中学校で講演する提案
問:原一馬議員…地域ブランドを意識した取組みは、多くの方面への効果が期待できる。そばの食文化や歴史などの講演を小中学校で行うことで、そばの文化が地域により根ざしていくことを期待できるが。
答:市長…伊那を代表する食であるそばの講演を聴くことで、児童・生徒が自分の故郷をさらに知る機会となって、郷土愛の醸成につながっていけばと思う。学校から依頼があれば、地域おこし協力隊を中心に伊那そば振興会の協力を得ながら、そばに関する学びの場を提供していきたい。
▽先人の遺した400を超える遺跡の活用について
問:原一馬議員…壊されずに残っている遺跡を、研究のフィールドワークの場として積極的にアピールすることを提案する。一つの事業で多層的重層的に多くの効果を発揮すると思われるが。
答:教育長…市の計画でも、研究機関などへのフィールド提供を事業としている。手続きの支援も可能な範囲で行いたい。
■宮原英幸(みやはらひでゆき)
▽孤立・孤独への対応について
問:宮原英幸議員…市としての実態把握はどうか。
答:市長…国でも対策推進法を制定するなど、孤独・孤立問題は高齢者のみならず若年層でも深刻化している社会課題である。市は今年度、独自の実態・課題解決ニーズ調査を行い、支援施策充実に努める。実証中の会話型ロボットも、今後年代層を拡大し、令和8年度以降の実装を目指す。相談内容は多様化、複雑化しており、関係各協議会で専門性が高いものも含め、機関連携で相談の実情に寄り添った伴走支援を行っていく。
▽50年の森林ビジョンにおける特に私有林管理について
問:宮原英幸議員…私有林の境界・所有者確認の進捗はどうか。特に、市内生産森林組合の経営が厳しい。市としての積極的対応を望むが。
答:市長…境界明確化では、ドローン調査でみなし境界を作成し、所有者の同意を得て施業につなげる。「デジタルINAモデル」として手法を確立したい。
市内24の生産森林組合は重要な経営主体だが、市が経営関与することは難しい。県と連携し、国県補助制度の紹介や具体的な解決策や計画的管理策を見出すための情報を提供するとともに、持続可能な林業経営方策を研究していく。
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