■個別避難計画ってなんでしょう
「個別避難計画」は、まずはご自身が災害時の避難行動について考えるためのものすが、行政や民生児童委員を通じて地域で共有し、地域全体で要配慮者支援に役立てることを目指しています。
市では、民生児童委員を通じて「保健福祉支援カード」を作成し、要介護認定を受けている方や障害のある方、その他緊急時や災害時の対応に不安を抱える方の支援を行っています(現在、約6000人が作成)。この保健福祉支援カードに、災害時の避難行動計画や支援者の情報を追加して「個別避難計画」としています。令和5年9月から順次、支援カードの更新を始めています。
●伊那市の要配慮者支援の取り組みは?
●個別避難計画には何が書いてあるの?
▽誰と避難するのか?
・家族
・自治会・自主防災会
・近所の方 など
▽どこに避難するのか?
・×××小学校、×××公民館
・親戚、知人の家 など
▽自分の状況
・自宅の危険性(土砂災害警戒区域など)
・災害に関する情報を取得できるかどうか
▽その他の情報
・心身に関する情報
・治療中の病気、服薬状況 など
■どのように作成されて、活用されるのかみんなの声を聞いてみよう
●困ったな富県地区Aさんの避難計画例
Aさん:80代。数年前に富県地区に移住してきた。日中は家族が出かけて1人になる。車いすのため1人では避難が困難。
Aさんのご家族:近所に親戚や知人がおらず、何かあったときにAさんが心配。どうしたらいいか?
(困ったな)
▽社会福祉協議会
社会福祉協議会では地区の役員などと協力して、災害時住民支え合いマップの作成を推進していますが、要配慮者の情報は把握しきれないこところがあります。「個別避難計画」は、支え合いマップの作成や更新に大変有効です。また、状況は常に変化しますので、行政・地区・地域社協・民生委員児童委員との連携を図ります。
▽伊那市
社会福祉課…「個別避難計画」の作成にあたり、ご本人やそのご家族だけでは避難時の支援者や行動計画を決めることが難しい場合があります。その際は、行政職員や福祉専門職、地区の役員などが協力して計画を作成しますので、まずは社会福祉課または民生児童委員にお声掛けください。
危機管理課…「個別避難計画」を災害時住民支え合いマップなど地域の取り組みにつなげ、「点」ではなく「面」で支えることで、より具体的な支援体制を作ります。計画を作ることで、まずは「自助」を強化。そして「共助」へつなげ、隣近所・地域・関係者で支援します。
▽民生児童委員
民生児童委員 吉澤政己(よしざわまさみ)さん
Aさんの状況を知ったのは地区の会合。ご家族から相談を受け、集落支援員さんの協力のもと「個別避難計画」を作成することになりました。住民同士が顔を合わせる場があることで、支援が必要な方を見つけ、その方に合った支援の方法をみんなで考えることができました。
▽集落支援員
集落支援員 平岩(ひらいわ)なつみさん
Aさんの場合、避難時の支援者がいないことが課題だったため、近所の方お二人に支援者になっていただくよう依頼し、Aさんとご家族、支援者の方、民生児童委員さんと顔を合わせて個別避難計画を決めることができました。
Aさんのように、高齢化などの理由で災害時に不安を抱える方が増えています。個別避難計画の取り組みを地区役員や自主防災組織の方に知っていただき、地区全体で災害に備えていくことが大切だと思います。
▽地域
富県区長会長 吉澤昭夫(よしざわあきお)さん
昨年6月の豪雨災害時、近所の高齢者に声をかけ、避難してもらった経過があり、要配慮者支援の重要性・必要性を感じました。
9月の地区の防災訓練の際、災害時住民支え合いマップの更新を予定していますが、そこに「個別避難計画」の情報を落とし込むことで、より実行性のある取り組みになるのではと思います。
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■地区の要配慮者支援の取り組みに連携・反映
これまで各地区では、「災害時住民支え合いマップ」などの取り組みを進めてきましたが、「個別避難計画」作成により、把握が難しい部分もあった個人個人の状況を関係者で共有。具体的な支援活動につなげることができます。
問合せ:社会福祉課 総務係
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