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公民館報いな-特集 散歩・ハイキングコース紹介(1)

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長野県伊那市

秋におすすめ!
各地区の散策コースを紹介します。

■坂下の辻から仲仙寺まで〜丁石をたどって〜[伊那・西箕輪公民館]
伊那市内の「坂下の辻」から、はびろ道に沿って丁石をたどると、やがて、馬の観音様として親しまれる仲仙寺(羽広観音)に着きます。全長約6kmのこの道はかつて人々が観音利益を求めて歩いた信仰の道でした。
「坂下の辻」は伊那市内を流れる小沢川から常円寺に続く坂道に位置しています。この辻には、道祖神や庚申塔などの石碑が立ち並んでいます。これら石仏群の一番前に「右ぜん可(こ)うじ道・左者(ひだりは)び路道(ろみち)」と刻まれた道標が立てられています。この辻はかつて「伊那街道」「高遠街道」「はびろ道」などの古道が通ずる交通の要所でした。
この石物群の中に「羽広山マデ五十四丁・第一番」と刻まれた高さ70cmほどの馬頭観音立像の舟形碑があります。この碑が示しているように、ここから仲仙寺まで続くはびろ道には、一丁(一丁は約百九ⅿ)ごとに、計54基の膝下ほどの高さの丁石が立てられていました。
これら丁石は、江戸末期に、羽広観音参りの道標として安置されたもので、一体ごとに坂下の辻からの丁番と寄進者の住所・氏名が刻まれています。中には高遠下山田、長谷非持村などの地区名も見られます。当時、家族の一員ともいえる貴重な役割を担っていた馬を連れた人々が、坂下の辻を通る時、第一番の観音像の前で、手を合わせ仲仙寺を目指したのかもしれません。当時の往来のにぎわいと信仰の強さがうかがえます。
それら丁石のうち、上伊那農業高校や信州大学農学部、伊那養護学校などの近くを通るはびろ道には、現在30数基の丁石が確認できます。
かつての人々の生活や馬の無事への祈り、風雪を耐えてきた石仏などに思いを馳せ、林間に見え隠れする仙丈ケ岳や経ヶ岳などの眺望を味わいながら、羽広仲仙寺までの五十四丁をゆったりと歩かれてはいかがでしょうか。

■御殿場遺跡から栂平までのコース[富県公民館]
富県地区には、富県小学校北の御殿場遺跡から高烏谷山頂下の栂平まで約9kmのハイキングコース(通称「高烏谷山スカイライン」)があります。
国の重要文化財の「顔面付釣手形土器(がんめんつきつりてがたどき)」が出土した御殿場遺跡を出発すると、木漏れ日を浴びながら快適なハイキングを楽しめます。栂平に着くと、木々に覆われていた視界が突然開け、中央アルプスとその下に広がる伊那市の街並みを見下ろすことができます。栂平から約20分、高烏谷山頂に登れば、遠くに北アルプス、目の前に中央アルプス、振り返れば南アルプスと3つのアルプスを見ることができ、また辰野町から飯島町、中川村までの街並みを見渡せ、雄大な山々の眺めと山頂からのきれいな景色に登ってきた疲れも吹き飛びます。
皆でハイキングと高烏谷山からの景色を楽しんでみませんか。

■三峰川橋上流の右岸堤防コース[美篶公民館]
美篶と富県を繋(つな)ぐ三峰川橋(旧大島橋)から三峰川右岸を上大島区・南割区を経て芦沢区般若島まで遡る約2kmのコースです。国土交通省天竜川上流河川事務所の堤防管理道路で、春のふれあいスポーツ教室「ノルディックウォーキング」で歩く道です。
大雨の度に流れを変える三峰川と、その氾濫から田畑を守ってきた三か所の霞堤が眺められます。土手沿いにはホタルブクロ・ネジバナ・ユウスゲ・ノアザミ等の野草が自生し、目を楽しませてくれます。毎年区長会による環境整備がされている河原には、ヤナギやハリエンジュ等植物が生い茂り、キジやコジュケイの鳴き声も聞かれます。稀にシカやキツネとの出会いがあるかもしれません。

■野口山城コース[手良公民館]
東春近南端の田原区は、伊那市の中で最も標高が低い地区です。ここは東春近の中では温暖な地で、一番早く桜が開花するところです。
田原区東側の段丘下、新田公民館付近から大沢川の蚕玉橋まで、北に向かって散策を楽しめる幅3m余りの道があります。清らかな水が流れる石積み水路に沿って約1.5km歩くと宗福寺があります。元亀3(1572)年の開基で明治7(1874)年に田原学校が開校した所です。この寺の北側を上ると弘長年間(1261〜64年)の開基とされ、7月には例大祭が盛大に行われる白山神社に参拝できます。
この道筋は木々の多い静かな所で、西を仰ぐと中央アルプスが美しく見えます。寺社や清流、周辺の景色を見ながら、約2kmの散策を楽しんでみてはいかがでしょうか。

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