令和6年度から小規模特認校の指定校となる楢川小中学校について、その背景や、小規模校ならではの特徴をお伝えします。
■小規模特認校とは
少人数を生かしたきめ細やかな指導や、特色ある教育環境下にある小規模校で「学びたい、学ばせたい」という児童生徒や保護者に、一定条件の下、お住まいの地区に基づく通学区域を越えて、市内全域(北小野地区を除く)から特別に児童生徒の入学(転入学)を認める制度です。
◆楢川小中学校の特徴
▽小学1年生から教科担任制を導入
英語、算数、体育は1年生から専科の先生が授業に関わります。学年関係なく複数の先生が授業や指導を担当するティームティーチングで授業を進めています。
▽上限20人の少人数クラスを保障
子どもたちはもちろん、先生たちも児童生徒一人ひとりとの関係を築くことができます。一人ひとりの学びや心情に寄り添った指導や、子ども同士の関わりを生かした学習活動を目指しています。
▽コミュニケーション重視の実践的な英語教育
オーストラリアの学校とオンラインで交流したり、奈良井宿に来た外国人観光客へ地域の紹介パンフレットを配布して交流したり、修学旅行先で英語による地域PR活動をしたりと英語教育に力を入れています。
◆小規模特認校制度の背景
楢川地区では、児童生徒数が年々減少しています(下記グラフ参照)。そこで、平成28年に楢川地区振興協議会内に教育振興検討部会が設置されました。この部会では、どのような環境を整えれば子どもたちのより良い教育につながるのかという視点に立ち検討が進められてきました。
その結果、楢川地区に小学生と中学生が同じ校舎で学ぶ義務教育学校を開校し、小規模特認校とすることを決定しました。義務教育学校では、小学生を前期課程(1~6年生)、中学生を後期課程(7~9年生)として学んでいます。
▽楢川地区児童生徒数の推移
◆小規模校で地域に学ぶ
楢川小中学校では、学級内の係活動や児童生徒会の活動など、すべての子どもたちにさまざまな活躍の場があります。
体育や音楽など、ある程度人数が多い方が良い授業や、総合的な学習の時間など、多様な考えを持った子どもたちが協力して創り上げる授業は学年の枠を超えたグループで進めています。
「ならかわ大学」と呼ばれる総合的な学習の時間では、地域の「人・もの・こと」に関わり、地域の歴史や文化を支える人々の思いや技術に触れます。地域と共に歩むためには自分がどうあるべきかを考える学習を行っています。放課後には、地域ボランティアなどの指導で、バドミントンや将棋などの課外活動に取り組む楢川放課後講座の「なららクラブ」もあり、1~9年生が自由に参加できます。
◆地域と取り組む学校づくり
楢川小中学校では、歴史と伝統が息づく楢川だからこそできる学びを大切にし、実践的なキャリア教育を行います。地域の課題に対して、地域の人々と一緒に取り組むことで、人と協力して課題解決する力を養い、地域と共にある学校づくりを進めていきます。
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