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家庭教育アラカルト(26)

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長野県東御市

~自ら学びに向かう姿勢を育てるということ~
東部中学校 教頭 下里 貴志

長期化した新型コロナウイルス感染症の問題はICTの学校現場への導入を加速させ、タブレットを使った授業展開が当たり前の世の中になりました。また、教師主導による知識獲得重視の授業スタイルから、自ら問いを立て、主体的に課題解決に向かう力を高めようとする内容に力を入れるようになりました。今、東部中学校ではそのことを「自らの問題に気づき、自らの課題をもって学ぶ」を目標に定め、その実現のための手立ての一つとして「単元内自由進度学習」という授業方法を取り入れています。
「単元内自由進度学習」は、「なぜ?」や「知りたい!」を課題として、生徒自身で学習を進める授業形態です。教師はその横で伴走し、必要な情報や手立てをアドバイスしながら生徒と一緒に授業を創り上げていきます。「教えることの丸投げでは?」との指摘をいただきますが、そうではありません。単元の中で培うべき力を見極め、使用するプリントや学習支援動画等の教材を事前に準備し、生徒個々の進度に合わせた声がけや支援ができるようにしてからスタートすることで、進度の速い生徒もゆっくりとしたペースの生徒も安心して取り組むことができるようにしています。このような自らの課題を自分に合った学びの速さで解決していく手法は、生徒自身が学びの主人公になるためのプロセスとして大切です。あくまで「自分で進める」ことを前提としていますから、仲間と伝え合ったりお互いに確かめ合ったりといった「協働的な学び」については、別に手立てを用意しています。この形態で行うのは教科全体の一部の単元であり、それらを一体として捉えることで子どもたちの成長を後押ししています。
東部中学校での学びに関する取組みを紹介させていただきましたが、目指す姿に到達するためには、数多くのハードルを丁寧に乗り越える必要があります。すべての生徒が学ぶことを楽しいと感じ、できた喜びや達成感を味わうことができるよう更に研究を深めていきたいと考えています。パソコンに向かって知りたいことを呟けば完成された返答が得られる時代だからこそ、自ら学びに向かい答えに至る道筋を探すことができる、そのような力を育むことが必要なのだと感じます。

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