・短刀
銘 源秀寿(源清磨)
天保五年仲冬為濤斎主人作之
所蔵 刀剣博物館
※詳しくは本紙またはPDF版をご覧ください。
11月24日(日)まで梅野記念絵画館・ふれあい館で開催される企画展「東御の刀鍛冶」。
今回は、企画展の内容や初日の様子、初心者でも楽しめるポイントをお伝えします!
■企画内容
江戸末期に活躍した滋野出身の山浦真雄(やまうらさねお)・源 清麿(みなもと きよまろ)(山浦環(たまきやまうら))の山浦兄弟と真雄の子山浦兼虎(やまうらかねとら)、そして、現在八重原に鍛錬場を構え、作刀する宮入法廣(みやいりのりひろ)刀匠ら市ゆかりの刀工をテーマとした企画展です。今回は、PCブラウザandスマホ向けゲーム「刀剣乱舞ONLINE」ともコラボレーションしています。
◇山浦兄弟
小県郡赤岩村の名主(郷士)のもとに生まれました。真雄は実践に適した刀を求めて刀鍛冶を志し、9歳年下の弟清麿に作刀の手ほどきをしたと伝わります。真雄は後に松代藩真田幸貫に招かれ藩工となり、清麿は江戸の四谷で活躍したことから「四谷正宗」と称され江戸三作のひとりに数えられています。
◇宮入法廣刀匠
人間国宝である「隅谷正峯(すみたにまさみね)」に師事し、平成22年(2010)に刀剣界で最高賞の「正宗賞」を受賞しました。現在も流派に縛られずに作刀を行っています。高円宮家の御守刀制作や、名刀「燭台切光忠(しょくだいきりみつただ)」を再現するプロジェクトにも携わるなど、活躍の幅は多岐にわたります。
◇刀剣乱舞ONLINE
刀剣育成シュミレーションゲームです。このゲームには名だたる刀剣が戦士へと姿を変えた刀剣男士と呼ばれるキャラクターが登場。個性豊かな刀剣男士を収集・強化・育成、部隊を結成し、さまざまな合戦場を攻略していくゲームです。今回の企画展では、刀剣男士 源清磨とコラボレーション。コラボグッズ販売や等身大パネルとの撮影など楽しんでいただけます。
■初日の様子
9月14日、待望の刀剣展が開幕しました。多くの刀剣愛好家・刀剣乱舞ONLINEファンが市内外から詰めかけ、開場前に既に行列ができるほどの盛況ぶり。会場では、刀一振り一振りの美しさと歴史的価値に多くの方が感嘆の声を上げていました。
オープニングセレモニーのふくしま美術館原田館長と宮入刀匠の特別対談では、山浦兄弟のエピソードや市の刀剣文化について、貴重な話しが飛び交い、観客は真剣に耳を傾けていました。
来場者の中には、熱心な刀剣ファンのみならず、初めて刀剣に触れる方も多く、「歴史の中で使われた刀剣の美しさに感動した」「これほど多くの刀剣を一度に見たことがない。圧倒された」といった声が多く聞かれました。家族連れや若い世代の参加者も目立ち、刀剣文化が幅広い世代に浸透していることが感じられました。
刀剣展初日は、多くの来場者で大成功を収め、今後も更なる盛り上がりが期待されます。
■見どころ
・目黒 慶子 隊員
刀剣振興担当
(1)会場のレイアウト
今回の展示は、出品目録や制作年順に刀剣を並べておりません。次に現れる刀は何なのか、探索するような気分でお楽しみください!
(2)刀工について
刀の近くに解説文を設置しています。そこでは、東御の赤岩で生まれた山浦真雄、源清麿(山浦環)、山浦兼虎について解説しています。市ゆかりの刀工について知っていただけたら嬉しいです。
(3)刀剣の美しさ
刀の白いところに光を当てると「刃文(はもん)」と呼ばれるところが見えてきます。これは粒子で構成されているのですが、所々粒の大きさが違います(粒子が非常に細かく煙のように見えるものや、粒の粒子が大きくザラザラとしているように見える物があります)。
鑑賞にあたって
刀剣には専門用語が多くありますが、刀を見るときはあまり気にせず、自分が見たことのある景色に例えながら刃文等を鑑賞するのはいかがでしょうか。
私はモコモコした刃文は「花びら」、直線的な刃文は「飛行機雲」を連想したことがあります。
今回の刀剣展で鑑賞を楽しんでいただけたら嬉しいです!
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