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令和6年度 施政方針(1)

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長野県栄村

栄村長 宮川幹雄

今年は、年頭から、災いが続きました。元旦の午後、能登半島を激震と津波が襲い、家屋やビルが倒壊して多くの死者・行方不明者が出てしまうことになりました。輪島市の中心部では、大規模な火災も発生して、200戸以上の商店・家屋が焼けてしまいました。

二日には、羽田空港で海上保安庁の飛行機と日航機が衝突、炎上する事故も起きました。幸いにも日航機の乗客は無事でしたが、海上保安庁職員は5人が亡くなりました。被災者の皆様には、心からお悔やみとお見舞いを申し上げるところでございます。デジタル技術の粋を集めた航空管制機能を持ってしても、こうしたことが起こりえるというのが実感であります。

一方、地震は地球の自然現象でこの膨大なエネルギーの放出を防ぐことも予知することも私たちはできません。そもそも「日本」は災害大国と言われています。災害は「起こるかどうか」でなく「いつ来るか、いつ起きるか」をあらためて認識させられた年の初めでありました。長期化が予想される北陸地方復興への支援は栄村も「チーム長野」の一員として、職員の派遣を含め、積極的に行動していく所存であります。

さて、本年度も健全な財政運営を旨として、安定した行政運営に努めていきます。そして、毎日を大きな自然と関わって、穏やかに暮らす事の喜びと、この地で生きていく誇りや魂が漂うような村づくりを進めていく事が、この村を未来につなげていく大事な要件と考えています。冒頭でも申し上げたとおり、あらためて地震や水害・豪雪などを念頭に置いた、災害に強い幹線道路、村道の安全対策、緊急治水プロジェクトの推進、ライフライン確保、除雪対策の強化など、村土の強靱化への思いを強くしています。

移住定住対策は、各地域の皆さんと協力しながら、企画、民生、教育部門連携して、さらに細やかな取り組みを進めます。

農業については、水稲作付け支援、優良米への補助を続けるとともに、共同化の推進、ライスセンターの継続など、農業を続けていく事のできる農村環境の充実に引き続き取り組みます。

観光は、その推進体制の構えを見直す時期と捉えています。今、観光は「環境・文化・経済」といった観点から、持続可能で発展性を、と言うことがポイントです。ですから、村の「自然や食・歴史や文化」といった、資源を体験や体感に如何につなげる事業展開が肝心と思います。

福祉においては、出産から子育て期を見守る「子育て支援センター」と介護に関わる相談等に対応する「地域包括支援センター」のさらなる充実を目指します。また第9期の介護保険計画では「互いに認め合い、支え合い、幸せに暮らすことができる地域共生社会の実現」を理念として、介護予防等の推進に取り組みます。介護保険料は据え置きといたします。生きがいセンターは、秋山診療所と連携、工夫して、利用者の利便性と効能改善に努めて行きます。歯科診療所は、医師が不在となることから、当面休診とし、今後の体制を検討します。高齢化率の高い当村でありますが、先ずは「自分の健康、家族の健康」に関心を持って、寿命を全うするまで健康な村民が一人でも多くなるような保健事業を展開していきます。

栄村の学校教育の構えが見えてきました。本年度から本格的な設計に取り組み、あたらしい学校開校までの工程、財源計画などを出来るだけ明確にできるよう取り組みます。

その他、国策であるDXの対応、かたくりホールの音響設備、議場の会議システムのリニューアルなどは多額の費用を要しますが、やるべき事はやる姿勢で臨む決意であります。

また、スキー場特別会計は、一般会計に移行して、設備更新を過疎債で対応できるようにし、地域の活性化、雇用対策、都市との交流など過疎対策としての役割を強化していく方針です。子ども達や若者の定住対策、村のイメージアップにスキー場がさらに貢献するべく取り組んで行きます。

政治は希望です。そして、行政は村民の皆さんからの信頼がなければ、前に進むことができません。村民の皆様のご理解とご協力の下に真摯な姿勢で村政に取り組む所存であります。

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