木流川は、一級河川松川から取水し、八方地区から姫川へ流れ出る全長約5kmの農業用排水路です。江戸時代後期に開削された人工河川で、白馬山麓で切り出した薪を下流の集落まで流したことから“木流川”と呼ばれるようになったと言われています。平成12年に、長野県の土地改良事業で、河川管理道路を兼ねた散策路やビオトープ、広場等を整備しました。以来、地域住民や地域の子ども達をはじめ、観光客等、多くの方に親しまれています。
木流川は、長い年月を経て、水辺や周辺の水田、林などに色々な生き物を育み、山岳域から種が流れ育った草花と針葉樹と広葉樹が入り混じった針広混交林を形成しています。
1.木流川と親しむ会(会長:増井恵子 担当:農政課)
“木流川と親しむ会”は発足から24年となる団体です。会員は、結成当初、村民中心でしたが、近年は村外の会員もいます。木流川周辺の保全活動や観察会、調査、学習活動に取組んでおり、地域や行政と連携し、春の木流川清掃や青鬼の堰普請等にも参加しています。特に保全活動では、広場(通称:らくだ山)周辺の芝生管理に力を入れており、楽しみながら地域の環境整備に貢献しています。
2.講演会and散策会
令和6年9月8日に“白馬の自然の楽しみ方・未来への残し方”を考えるため、講演会と散策会を開催し、村内外から約50人の参加がありました。
講演会は、2名の講師を招きました。荒井章司先生(金沢大学名誉教授)からは、“自然環境を考える〜自然環境とは何か”について、岩石や地質を地球の歴史の視点から講演いただきました。伊藤健先生(植物自遊人)からは、“足元に息づく白馬の自然の魅力”について、多くのスライドを用いて講演いただきました。
散策会は、木流川のほとりの山野草や樹木の観察をしながら歩きました。
◆先人の知恵と労力
木流川は、時を経ても白馬の山並み、周辺の田畑、水辺の木々、草花と一体となった風情を残しています。林内の明るさ暗さ、草花を観察しやすいように散策路が整備されています。どなたでも利用できますが、歩行者優先で、自転車の押し歩き、徐行にご協力願うとともに、民有地への侵入はしないようにお願いします。
3.ナラ枯れ発生
近年、村内では大きなナラ類が枯れる“ナラ枯れ”が発生していますが、木流川付近では今年9月に発生しました。8月下旬に健全に見られたナラが、9月上旬に急に枯れ始めました。ナラ枯れは、江戸時代からある樹の病気で、樹が若返りを求めているとも言えます。
村では、利用者の安全のために、伐倒くん蒸処理(被害木を玉切りし、専用シートに包み、シート内でガス化した薬剤を材内に浸透させ病虫害を駆除する対処処理。)、樹幹注入処理(健全な守りたい樹に穴をあけ、専用薬剤を注入し、対象病虫害を駆除する予防処理)を実施しています。
お問合せ:白馬村役場 農政課
【電話】0261-85-0766
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