白馬村では、地域計画・目標地図(令和6年広報はくば1月号参照)策定に伴い、令和6年3月に農家を対象に“農地利用の意向アンケート調査”を実施しました。営農計画書に同封し、質問は3項目、回答率38.5%となり、統計学において信頼できる回答数を得ることができました。ご協力いただいた皆様に感謝申し上げます。
1.基本項目
回答農家平均年齢は69.3歳で、農林水産省発表(2022年)の68.4歳より1歳ほど高い結果となりました。
2.アンケート結果
Q1:10年後の農業経営について
・“農地を所有しているが既に農業を行っていない”、“規模を縮小したい”に“高齢などの理由で近い将来農業を続けることができない”を加えると66.1%となり、長野県農業会議発表の農業の働き手予想資料(令和5年広報はくば10月号参照)のとおり、将来、農業経営者は大幅に減少する見込みとなりました。
・“現状の規模を維持したい”は27.1%です。既にある程度の規模で営農している、又は、適正規模で営農している農家となりますが、うち46%が、“後継者の目途は立っていない”と回答しています。
・“規模を拡大したい”は2.6%です。新規就農者で園芸を中心に営農している農家や果樹等を耕作している農家が含まれます。
10年後の農業経営について(回答者数425人)
Q2:後継者について
“後継者の目途は立っていない”が245人・57.6%です。このうち“農地を所有しているが既に農業を行っていない”が110人、“規模を縮小したい”が12人“高齢などの理由で近い将来農業を続けることができない”が60人、計182人・74%です。様々な産業で後継者不足が課題となっていますが、農業は定年後に就農する方もいることから、定年年齢が上がったことや、都市部への人口集中も後継者不足の一因となっています。
後継者について(回答者数425人)
Q3:新規参入者を増やすための提案等(自由意見)
回答者から多くの貴重な意見をいただきました。意見が多い項目順に掲載してあります。当村の営農形態は水稲が主ですが、今後も人口減少等に伴う米の消費量減少傾向は続くと思われます。高収益作物(園芸・果樹品目)を含め、観光地という強みを生かし、地域性に合った農業政策の参考にさせていただきます。(意見は種類ごとに抜粋して掲載しています。( )内の数字は種類ごとの意見回答数です。)
1 新規参入者対策、営農形態について(15)
・新規参入者の受け入れ態勢を確保して欲しい
・若者のニーズに添って農業現場で働けるよう支援していければ
2 農地の売買、貸借について(14)
・田・畑を借りて作付けしてくれる人を見つけたい
・農地を譲りたい
3 今後の農業について(12)
・農業法人の方に補助があれば良い
・魅力ある現代化したスマート農業を取り入れやりがいのある仕事になればいい
4 優良農地確保について(7)
・ほ場整備を進めたい
・農振見直しにより、守る田地と観光や住居地不足に対応する農地を政策的に決めなければ北城中心部は荒廃する
・農地の集約化を進めて欲しい
5 高収益作物(園芸、果樹)について(6)
・米と何かの作物を導入し魅力ある農業体系にして若い人たちが取り組んでくれる魅力ある農業にしていきたい。
・園芸に力を入れた方が良い
6 担い手について(5)
・農家との繫がりがあれば今後農家の担い手となってくれるのでは
7 農業機械補助、レンタルについて(4)
・農機具機械への補助制度
・農機具のレンタル制度
8 小規模農家について(4)
・小規模農家は費用が掛かりすぎる
・中・小規模農家への補助金交付をするべき
9 有機農業について(2)
・新規有機JAS農家の数を増やしていきたい
10 農業専門員配置について(2)
・農業アドバイザーの育成
11 獣害について(1)
・農業をするのに手間や獣害が多い
◆地域農業を守ろう
◇農地を次世代に引き継ぐための地域計画に取り組みましょう!
高齢化や人口減少により農業者の減少や耕作放棄地が拡大し続けると、地域の農地が守れなくなってしまうかもしれません。これまで地域のみなさんが守り、おいしい作物を作ってきた農地を、子や孫の世代に引き継いでいくためには、今が地域の皆さんで地域農業の将来を話し合う大事な時です。この地域での取組を後押しするため、令和5年4月1日に農業経営基盤強化促進法の法律が施行されました。
お問合せ:白馬村役場 農政課
【電話】0261-85-0766
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