■[9月は健康増進普及月間です。] コレステロールに注目してみよう ~脂質異常症予防に向けて~
健康診断の結果をみると血中脂質の項目の中に「HDLコレステロール」「LDLコレステロール」があります。これらのコレステロールは体の中でどんな働きをしているのでしょうか?
コレステロールは人間の体に存在する脂質のひとつです。ワルモノのように見られがちですが、私たちの体の細胞膜やホルモン・胆汁酸(食べ物の吸収を助ける物質)をつくる材料であり、体に必要なものです。しかし、このコレステロールが血液中に多すぎるもしくは少なすぎると動脈硬化などの原因となります。コレステロールの基準値は表1のとおりです。
◆表1 健診検査項目の保健指導判定値及び受診勧奨判定値
参照:標準的な健診・保健指導プログラム(令和6年度版)
▽HDLコレステロール
余分なコレステロールを回収し、さらに血管壁にたまったコレステロールを取り除いて、肝臓へ戻す働きをしています。動脈硬化を抑制する働きがあることから善玉コレステロールと呼ばれます。
▽LDLコレステロール
一般的に悪玉コレステロールと呼ばれています。肝臓で作られたコレステロールを全身へ運ぶ役割を担っています。血液中のLDLコレステロールの数値が正常範囲であれば問題はありませんが、増えすぎてしまうと血管壁にたまってしまいます。そして活性酸素の影響で酸化して蓄積すると血管が細くなり、血栓ができて動脈硬化を進行させます。
自覚症状のないまま心筋梗塞や狭心症・脳梗塞などを誘発する恐れがあります。
ご自分のコレステロールの値はいかがですか。表2は箕輪町のLDLコレステロール判定値別の割合です。LDLコレステロールが140mg/dl以上の受診勧奨判定値の人は23%でした。中でも9.5%の人は160mg/dl以上でさらにそのうちの91.8%の人が未治療でした。
◆表2 LDLコレステロール判定値別の割合(R4年度)
参照:国保データベース(KDB)システム
健康診断を受けてLDLコレステロールの数値が高かったという方は、病院を受診して医師へ相談してみましょう。・・・薬物療法が必要な場合もありますが、予防や治療の基本は、食生活をはじめとする生活習慣です。ご自分の健康診断の結果を見ながら生活を振り返ってみましょう。
▽予防するための生活改善のポイント
(1)適正体重を目指しましょう
体に蓄積した脂肪を減らし、適正な体重を維持しましょう。
(2)脂質のとりすぎに注意しましょう
特に動物性脂肪やトランス脂肪酸(マーガリン等)はLDLコレステロールを血液中にためやすくします。
(3)食物繊維をとりましょう
LDLコレステロールの体外への排出を促します。(野菜・海藻・きのこ等)
(4)適度な運動をしましょう
運動はエネルギー消費の増大、HDLコレステロールを上昇させる効果があります。
(1日20分以上、週3回以上の運動が勧められています)
(5)禁煙をしましょう
タバコはLDLコレステロールを増やし、HDLコレステロールを減らす作用があるといわれています。
まだ「今年の健康診断を受けていない」という方は、1年に1度は自分の体の状態を知るために健康診断を受けましょう‼
問合せ:健康推進課 健康づくり支援係
【電話】79-3118(直通)
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