症状がほとんどなく、気付きにくいため放置するとさまざまな病気を引き起こす高血圧。
2022年度に市が実施した特定健康診査の結果によると、受診者の約2人に1人は血圧が高く、高血圧の方の割合は県内市町村の平均よりも高い値となっています。
自分や家族の健康状況を確認し、生活習慣を振り返ることから始めてみませんか。
・特定健康診査受診者の高血圧の状況(2022年度)
出典:長野県計画支援ツール
正常高値……収縮期血圧が130~139または拡張期血圧が85~89
I度高血圧…収縮期血圧が140~159または拡張期血圧が90~99
II度高血圧…収縮期血圧が160~179または拡張期血圧が100~109
III度高血圧…収縮期血圧が180以上または拡張期血圧が110以上
■血圧の仕組み
血圧は、心臓から送り出された血液が血管を押す力(圧力)のことです。
心臓が縮み、全身に血液を送り出すとき、血管には高い圧力がかかります。このときの圧力が「上の血圧(収縮期血圧)」です。一方、心臓が膨らみ全身から血液が戻るときにかかる圧力は、それよりも低くなり、「下の血圧(拡張期血圧)」といいます。
・収縮期血圧(上の血圧)
・拡張期血圧(下の血圧)
■高血圧はどんな病気?
◆ほかの病気を引き起こします
高血圧は血管にかかる圧力が強くなりすぎた状態です。
自覚症状はほとんどありませんが、高血圧の状態が長く続くと血管がダメージを受け、脳、心臓、腎臓など大切な臓器の損傷を引き起こす危険性が高くなります。
▽高血圧によって起こる主な病気
・脳…脳出血、脳梗塞、くも膜下出血
・眼…眼底出血
・心臓…心肥大、心不全、狭心症、心筋梗塞
・腎臓…腎不全
・血管…大動脈瘤破裂、下肢動脈硬化
※詳しくは本紙をご覧ください。
◆高血圧に関連する病気の方が増えています
須坂市は高血圧に関連する病気で亡くなる人が長野県と比べて多い状況です。
・標準化死亡比(2014~2017年)
全国平均を100としたときの死亡率の高さ・低さを示す比
出典:国保データベースシステム
■要因は?予防法は?
高血圧の要因は、塩分の高い食事や過食・偏食・運動不足による内臓脂肪の蓄積などです。また、喫煙、加齢も要因になるほか、遺伝的に高血圧になりやすい方もいます。
高血圧は、適切な食塩量、野菜を食べる、アルコールを控える、適度な運動をするなどの生活習慣によりコントロールできます。
〔すすめ1〕
■まずは…健診で自分の体を確認!
健診(検診)は、定期的に健康状態を確認することにより、病気の早期発見、病気の予防を目的としています。
市では、若年者健康診査、特定健康診査、後期高齢者健康診査、各種がん検診や歯科健(検)診などを実施しています。
近年は食生活の欧米化や生活習慣により、若いうちから病気の予備群になる人もいます。高血圧対策も早期発見、早期治療が大切です。自分はまだ大丈夫と思わずに、健診でからだの状態を確認し、将来の健康につなげましょう。
健診は、健康に欠かせない「はじめの一歩」です。
例えば、車は部品が一つでも欠けるとうまく動きません。このため、定期的に「車検」を行い、不備のある部品などがないか調べ、きちんと動くように整備します。
人の体も同じです。体が「きちんと動く」健康な状態を保つために、まずは体の様子を知っていきましょう。
健診結果で気になることがあれば、保健センターにお気軽にご相談ください。元気な体でいられるよう、一緒に考えていきましょう。
(健康づくり課 若林保健師)
問合せ:保健センター
【電話】026-248-9023
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