高齢者人口が最多となる2040年には、65歳以上の高齢者のうち、およそ3人に1人が認知症か、その前段階の軽度認知障害(МCI)を発症するといわれています。65歳未満で発症する若年性認知症も約3万人と推計されており、認知症は決して他人ごとではありません。
認知症になっても住み慣れた地域で尊厳と希望を持って暮らし続けられる共生社会を目指しましょう。
◆「新しい認知症観」に転換を
2024年1月に「共生社会の実現を推進するための認知症基本法」が施行されました。これは、認知症の人が尊厳を保持しつつ、希望を持って暮らすことができるよう、また、認知症の人を含む国民一人一人がその個性と能力を十分に発揮し、互いを尊重しつつ支え合いながら共生し、活力ある社会の実現を推進するために定められました。
最近では、新しい認知症観という考えが注目されています。以前までは認知症は「何もできなくなる」「周りにたくさん迷惑をかけてしまう」と暗い印象が先行しがちでした。
これからは、認知症になってもできることややりたいことがあり、仲間とつながりながら役割を果たし、自分らしく暮らしたいという希望があることなど、認知症の人が基本的人権を有する個人として認知症とともに希望を持って生きるという新しい認知症観へ考え方を転換していくことが大切です。
須坂市高齢者いきいきプランでも認知症の人が尊厳と希望を持って地域で自分らしい生活が送れるよう、認知症の人本人の思いを発信できるように支援することを掲げています。
◇認知症は脳の病気
認知症とは、さまざまな原因で脳の神経細胞の働きが低下して、日常生活や社会生活に支障が出ている状態をいいます。認知症で現れる症状は、脳の部位や働きと関係があり、記憶力や判断力、思考力の低下を招きます。認知症の人の好き嫌い、怖い、不安といった感情に関わる脳の部位は比較的保たれることが多く、状況によってはかえって敏感になることもあるため、新しいことは覚えられないけど、「怒られた」「嫌だった」といった負の感情に関する出来事や怒られた人のことはよく覚えているという場合が多くあります。
◇認知症の予防
認知機能が低下する原因は加齢以外に主に2つあります。
(1)異常なたんぱく質(アミロイドβ(ベータ)など)が脳にたまることといわれ、特に糖尿病は脳内のアミロイドβを分解する働きが不足するため、認知症の発症リスクが約2倍になります。
(2)高血圧や糖尿病、脂質異常症などにより血管が硬くなり(動脈硬化)、細胞に必要な酸素や栄養が届かず、脳の血管が障害されて認知症を発症することがあります。
生活習慣病を予防することが認知症も予防することにつながります。
◆「認知症カフェ」や「認知症家族のつどい」で出会いましょう
認知症の人や家族が、できること・やりたいことに取り組み、地域で仲間とつながりながら自分らしく暮らすための拠点です。専門スタッフに個別に相談できるので、安心してお越しください。
◇認知症カフェ
認知症の人や家族が、情報交換し、日々の思いを話せる場所です。
・オレンジカフェ
開店日:毎月第4日曜日午後1時30分~3時
場所:小河原1564-1
料金:無料
問合せ:悠々オアシス
【電話】026-247-0881
・カフェゆめかおり
開店日:毎月第2金曜日午後1時30分~3時30分
場所:臥竜5-8-3
料金:無料
問合せ:NPO法人良風来(りょうふうらい)
【電話】026-477-2267
参加した方から「話をして気持ちが楽になった」とのお声をいただいています
◇認知症家族のつどい
認知症の人の介護者同士、思いや悩みを話しませんか。9月はオレンジ色の花を使ったコースター作りもします。
日時:9月13日(金)午後1時30分~3時30分
※12月、2025年3月にも開催予定です。詳細は『広報須坂』でお知らせします。
場所:カフェゆめかおり
対象者:認知症の人の家族
参加費:無料
問合せ:地域包括支援センター
【電話】026-245-4566
◆認知症の相談窓口
市内2カ所でご相談を受け付けています
◇地域包括支援センター
日時:月~金曜日(祝日・年末年始を除く)午前8時30分~午後5時15分
場所:市役所本庁舎2階
連絡先:【電話】026-245-4566
◇地域包括支援センター須坂やすらぎの園
日時:月~金曜日(祝日・年末年始を除く)午前8時30分~午後5時30分
場所:大字日滝2878-1(本郷町)総合福祉施設須坂やすらぎの園 特定有料老人ホームそよ風2階
連絡先:【電話】026-214-2611
◇もの忘れ相談日
毎月第4水曜日は、「もの忘れ相談日」として両施設でご相談を受け付けています。
日時:9月25日(水)午前8時30分~午後5時15分
◆市内70カ所でオレンジの花が咲いています
市制施行70周年記念事業
オレンジガーデニングプロジェクト
「認知症になっても暮らしやすいまちをみんなで創っていこう!」という思いを共有し、認知症のシンボルカラーであるオレンジ色の花を育てたり飾ったりして、認知症を考えるきっかけとする活動です。
今年度は市制施行70周年を記念し、各町をはじめ事業所などにもご協力いただき市内70カ所でオレンジ色の花が咲いています。オレンジ色の花を見かけたら、ぜひ少し立ち止まって、考えてみてください。
趣旨に賛同していただける方には、花壇やプランターに添えるプレートをお渡ししていますので、地域包括支援センターにお問い合わせください。
市ホームページからもダウンロードいただけます。
花苗は、須坂創成高等学校農業科の生徒の皆さんに種から育てていただきました!
問合せ:地域包括支援センター
【電話】026-245-4566
<この記事についてアンケートにご協力ください。>