■町民一人ひとりが幸せを感じられる「笑顔があふれる町」を目指して
平内町長 船橋 茂久
町民の皆さま、明けましておめでとうございます。輝かしい令和6年の新春をお健やかにお迎えのことと心よりお慶び申し上げます。
令和5年を振り返ってみますと、新型コロナウイルス感染症については、5月より季節性インフルエンザなどと同様に感染症法上の位置付けが5類感染症に格下げ移行され、新規感染患者数も落ち着き、コロナ禍前の町民生活に戻りつつありますが、今後とも町民の命、健康を守るためにワクチン接種事業など万全な対応に努めてまいります。
また、より一層の教育環境の改善、充実を目的とした町内3中学校を統合した町立平内中学校の開校、児童生徒の学校給食費の無償化など、町の未来を担う子どもたちのための政策推進のほか、コロナ禍、物価高騰、燃料価格高騰などに苦しんでいる町民の皆さまにはプレミアム商品券発行事業や医療施設、福祉施設などへの支援金給付など、ソフト事業を中心に、町民の皆さまに寄り添った事業の展開を推進してまいりました。
町の経済を支えております「ホタテガイ養殖」については、令和4年からのラーバの出現数の減少により出荷量は平年より少ないものの、単価が高値で推移したため、平内町漁業協同組合の全体水揚げ金額はおよそ81億5千万円と、当初の計画を上回る見込みであると伺っております。稚貝については、ラーバの母体となる親貝の不足によりラーバが少ないことに加えて、記録的猛暑となった昨夏の高水温の影響で大量死する被害に見舞われ、令和6年の出荷量が大きく減少するものと大変懸念しております。
また、東京電力福島第一原子力発電所の処理水の海洋放出で、中国が日本産水産物の輸入を全面停止していることを受け、町内の水産加工会社においても影響を受けていることから、国、県に対し支援を要請しながら町として様々な戦略を策定するとともに、町の基幹産業である「ホタテガイ養殖」を持続可能な産業として、生産者、企業、漁業協同組合と一丸となって取り組んでまいりたいと考えております。
一方、水稲については、田植え時期から天候に恵まれ、おおむね順調に生育しておりました。東北農政局から11月に発表されたコメの出来具合を示す作況指数は102の「やや良」でした。しかし、出穂期の7月下旬以降に記録的な高温が続いたことで、実に十分な栄養が行き渡らずコメが白く濁るなどの高温障害が発生し、品質低下を招きました。また、町の基幹品種である「まっしぐら」の一等米比率は大幅に低下し67%となりましたが、食味には問題がないことから売れ行きや価格には影響がありませんでした。今後は高温障害や異常気象などに対応すべく、農業協同組合はじめ関係機関との連携を強化して、高品質米の確保に万全を期してまいりたいと考えております。
令和6年度には、町民一人ひとりが幸せを感じられる「笑顔があふれる町」を目指し、修学旅行費補助や卒業アルバム費補助など、子どもたちへの政策拡充のほかに、町民の病院通院や買い物支援などを目的に安価でタクシーが利用できるデマンド型交通政策事業を実施してまいります。また、新役場庁舎建設事業は、いよいよ実施設計段階に入ります。町民の目線に立った庁舎建設を推進してまいります。
結びに、新年が、町民の皆さまにとって、健康で笑顔に満ちた素晴らしい年になりますことを心からご祈念申し上げ、新年のご挨拶といたします。
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