文字サイズ
自治体の皆さまへ

【特集1】港町あおもりの誕生をひもとく 青森港は2025年に開港400年を迎えます(1)

1/65

青森県青森市

編集協力:青森県地域生活文化課(県史担当)総括主幹 中園裕/青森市民図書館 歴史資料室室長 工藤大輔
参考:『みなとまち・あおもり誕生400年』冊子(発行…みなとまち・あおもり誕生400年実行委員会)

■青森市のみなととまちの歴史(ざっくり)
弘前市立博物館蔵「青森町絵図」
※絵地図の詳細は、本紙またはPDF版をご覧ください。

▽1625 寛永2年[開港] 幕府から津軽・江戸間の廻船が許可される
米を江戸に運ぶことなどを目的に、弘前藩第2代藩主・津軽信枚(のぶひら)が幕府から津軽・江戸間の廻船就航の許可を得ました。これが青森の「開港」とされ、翌年、家臣の森山弥七郎らによる青森のまちづくりにつながりました。

・津軽信枚(つがるのぶひら)…弘前藩第2代藩主。弘前城築城、新田開発など、弘前藩の基礎を整えました。
・謎多き人物 森山弥七郎(もりやまやしちろう)…青森のまちづくりのうち移住促進を担当。油川の浄満寺に供養碑があります。

▽1626 寛永3年[まちづくりの始まり] 青森市まちづくりの始まり
弘前藩庁が、「青森への人寄せ(移住促進)」など3か条からなるまちづくりの基本方針を示し、まちづくりがスタートしました。

▽1871 明治4年 青森県誕生、青森町が県庁所在地に
廃藩置県で青森県が誕生、青森町が県庁所在地になりました。

▽1891 明治24年 日本鉄道の上野~青森間全通
日本鉄道上野~青森間(後の東北本線)が全通しました。しかし鉄道から船に乗り継ぐ場合、駅から遠い浜町桟橋で艀(はしけ)に乗り、沖合に停泊する船に乗っていました。

▽1906 明治39年 青森港が貿易港として開港指定
1892(明治25)年頃から盛んとなっていた青森開港の動きがようやく実を結びました。

▽1908 明治41年 青函連絡船就航
日本鉄道を買収した政府は青森~函館間に「比羅夫丸」を就航させました。これが青函連絡船の始まりとなりました。

▽1915 大正4年 青森築港起工式
当時の青函連絡船など大きな船舶は青森港に接岸できなかったことから、船の大型化に対応できる港湾設備が必要となり、青森港では本格的な築港工事が始まりました。

▽1925 大正14年 連絡船の貨車搬送開始
青森港の築港完成を受け、連絡船に鉄道貨車を積む「貨車航送」が実現しました。

▽1945 昭和20年 青森大空襲で青函連絡船壊滅、中心街は焦土に
太平洋戦争末期の1945(昭和20)年7月、8月青森市はアメリカ軍に空襲され、市街地は焦土と化し、青函連絡船も爆撃を受けました。

▽1986 昭和61年 アスパム開館
青森市営魚市場(通称:安方魚市場)が卸町に移転し、青森漁港も堤川以東に移転。両施設の跡地の一部に県観光物産館アスパムが完成しました。

▽1988 昭和63年 青函トンネル開通、青函連絡船は廃止
本県津軽半島と北海道道南を鉄路で結ぶ青函トンネルが開通しました。これにより80年にわたって青森と函館の港を結び本州と北海道間の鉄道輸送に貢献してきた青函連絡船が廃止されました。

(青函トンネル開通記念「青森EXPO’88」はアスパムを主会場に開催)

▽1992 平成4年 青森ベイブリッジ暫定開通
鉄道で分断された青森市中心部の東西エリアを結ぶ「青森ベイブリッジ」が暫定開通し、2年後に全面開通。青森駅やベイエリアを見下ろす巨大な橋は、青森のランドマークの1つになっています。

▽2010 平成22年 新幹線の新青森駅開業
2010(平成22)年12月、東北新幹線は新青森駅まで開通し全線が開業。これに伴い、青森駅は在来線特急列車の発着が減るなど役割が変わってきました。

▽2021 令和3年 現青森駅(5代目)の開業
1959(昭和34)年建設の4代目駅舎の老朽化により、5代目の駅舎が整備されました。
その後、2024(令和6年)にはJR青森駅東口ビルも完成しました。

▽2025 令和7年[開港から400年]・2026 令和8年[まちづくりの始まりから400年]
たくさんのイベントが開催される予定です。
ぜひ足を運んでみてください。

※年表中の写真(「現青森駅(5代目)」を除く)は全て青森県所蔵県史編さん資料です。青森県史デジタルアーカイブスよりご覧になれます。

●江戸時代の絵図
この絵地図(本紙参照)は約340年前の青森の町のもので、当時の町の中核的部分は現在の平和公園通(当時は蜆貝川)から善知鳥神社付近までだったそうです。現在の地図と見比べてみると、ほとんどの道路がそのまま残っていることが分かります。今と違うのは町の中にいくつもの水の流れ(水路など)があったところです。今の青森市と比べてみると新しい発見がまだまだあるかもしれません。

▽今回お話を聞いたのは….
青森市民図書館 歴史資料室 工藤大輔(くどうだいすけ) 室長
(江戸時代専門です)
北海道出身。東京での大学院生時代、青森市史編さん事業に従事するために青森市へ。以後、市史、青森県史などの編さんに携わってきた。同市の歴史講座の講師なども精力的に務める。

問合せ:歴史資料室
【電話】017-732-5271

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU