「もしものこと」を考えたことはありますか?
心の余裕がある時に、じっくりと考える時間を持ち、あなたの考えを大切な人に伝えてみませんか?
思いがけない事故や病気によって、だれにでも「もしものとき」が突然訪れる可能性があります。命の危険が迫ったとき、約70%の人が、医療やケアの方法などを自分で決めたり、自分がどうしたいのかを周りの人に伝えることができなくなると言われています。
今、あなた自身の言葉で伝えられるうちに『人生会議』を行うことで思いが伝わり、同時に、ご家族をはじめ、大切な人の心の負担も減らすことができるかもしれません。
市では、医療や介護が必要になった時、住み慣れたまちや自宅での生活を支える取り組みとして、平成27年度から在宅医療と介護を一体的に提供する地域づくりを進めています。
「どこで」「どのように」過ごしたいのか、元気なうちから考えてみませんか?
■在宅看取(みと)りの理想と現実
~人生の最期を過ごしたい場所~
○理想
平成29年「人生の最終段階における医療に関する意識調査」(厚生労働省)では、自身の状況を(1)~(3)(下図)のように想定した場合、医療・療養を受けたい希望の場所について、それぞれの調査結果が出ています。
[人生の最終段階において医療・療養を受けたい場所]
※グラフの集計は、小数第2位を四捨五入してあるため、数値の合計が100%ちょうどにならない場合があります。
○現実
平成29年「人口動態調査」(厚生労働省)で実際に亡くなった場所としておよそ75%を占めたのが「医療機関」でした。
[実際に最期を迎えた場所]
「自宅」や「介護施設」で最期を過ごしたいと思う人が50%前後~65%いる中で、実際に最期を迎えたのは23%ほど
■始めてみませんか? 人生会議
Advance Care Planning(アドバンス・ケア・プランニング)
人生会議(ACP)とは、もしものときのため、本人が望む医療やケアについて前もって考え、家族や医療・ケアチームなどと繰り返し話し合い、共有する取り組みのことです。
あなたの思いを大切にして、それに沿った話し合いをしてくれるのは誰か、慎重に考えてみましょう。それは、きょうだいや成人したあなたのお子さんかもしれませんし、信頼できる友人かもしれません。
一人だけではなく、複数の人となることもあるでしょう。人の思いはそれぞれ違い、変化します。全てに共感できなくても、思いを共有することが大切です。
○話し合いの進め方は?
考える…大切にしていることや信頼できる人について考える
↓
話し合う…信頼できる人や医療・ケアチームと話し合う
↓
共有する…話し合いの結果を大切な人たちと共有する
心身の状態によって意思は変化することがあるため、「何度でも」繰り返し考え話し合いましょう
○何を話せばいい?
人生会議に決まった議題はありません。人生会議の目的は、あなたや、あなたの大切な人の『かけがえのない人生を豊かにすること』です。
自分の人生にとって「大切なこと」、最期にいたって「あなたが望むこと」などについて考え、伝えてみましょう。
例えば…こんなことを話してみましょう!
・そばにいたい人のこと
・少しでも長くいきること
・好きなことをしていたい
・家族が困らないようにしたい
・痛みや苦しみがないこと
○いつ始める?
・第1段階 準備が整っているすべての人
もしもの時の代弁者を本人が選び、大切にしていること(価値)を話し合う
・第2段階 人生の最終段階を自分のこととして考える時期にある人
心の準備状態を確かめたうえで、ご自身の病気の状態に合わせて医療・ケアの目標や具体的な内容について話し合う
■自分のために 大切な人のために 書き留めておきましょう
『看取りガイド』
人がどのように最期の時を迎えるかを知るとともに、日ごろどのような準備や心構えが必要かをまとめた冊子です。
家族や大切な人と話し合った「人生会議」の内容を記録するためのページもあります。
配布場所:地域包括支援センター三島(市役所本館1階)
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