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[特集]パパになったら~「育児」と「仕事」の間で揺れ動く男性の気持ち~(2)

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静岡県島田市

■会社のおかげで、日々成長する子どもの姿を見ることができました
川瀬大樹(かわせひろき)さん 心陽(こはる)ちゃん(長女/5カ月)
職業:会社員
家族構成:妻、長男(3歳)

▽会社も推奨してくれた育休
1人目、2人目ともに育休を取得しました。長男のときは、社内で育休を取る男性は少ない印象で、自ら申請すれば取れるというような状況でした。3年後に長女が生まれたときは状況が変化。上司から話しがあり、会社が育児をサポートしてくれていることを実感しました。

▽会社と話し合うことが重要
働く側が育休を申請すれば、会社は拒むことができません。しかし、限られた人員で仕事をしなければならない状況も事実です。気持ちよく育休を取得し、復帰するためには、会社と話しをすることが大切だと思います。

▽目の前で感じる成長の喜び
育休は、取得して本当に良かったなと感じます。産後身体がつらい妻に代わり、私が外の用事を済ませるなど、できるだけ家事を分担しました。働いていると、寝る前のわずかな時間しか子どもと触れ合うことができませんが、一日中一緒にいることで、小さな変化にも立ち会うことができました。子どもが初めてできるようになったことを聞くのと、実際見るのでは全然違いますね。

■企業のオモイ
法改正に伴い、企業の育休制度の整備が進む。現在の育児・介護休業法では、次のことを企業に求めている。

・育児休業を取得しやすい雇用環境整備
・妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、制度の周知と休業の意向確認

多くの企業は、人手不足に悩み、人員配置が課題だ。そのような状況でも、経営の工夫により、育休を後押しする企業が市内に存在する。
一方で、パタニティーハラスメント(=パタハラ)と呼ばれる男性に対する職場での嫌がらせも顕在化している。今年、厚生労働省が行った調査によると、育休を取得しようとした男性労働者のうち、約24%が、パタハラを経験(図3)。育児休暇を取りやすい職場づくりが、企業には求められている。それは、経営者だけではなく、働く一人ひとりに求められているのではないだろうか。

▽育児休業等ハラスメントを受けた経験(図3)

令和5年度職場のハラスメントに関する実態調査報告書(厚生労働省)より

■「中小企業の取り組み」従業員とその家族に、安心を与える職場を作りたい
(株)Bignine代表取締役
星野圭吾(ほしのけいご)さん(金谷扇町)
業種:建築業

▽働きやすい職場に向けて
建築業界は、高齢化が進み若手の人材確保が喫緊の課題です。当社も例外ではありません。設立後、福利厚生の不十分さから、独立して離れていく社員がいました。その経験から育休を含め、制度を充実させるように努めました。

▽工夫して乗り切る一人減
数年前に1人の社員から、奥さんが妊娠をしたことを相談されました。育休取得の希望を確認した上で約2週間の休みを取ってもらうことに。当社では初めてのことでした。私を含めて社員は6人。1人減の状況は厳しいものの、他から応援を頼んだり、受注量を減らしたりして対応しました。社労士に相談したところ、国の補助制度も利用できるものがあり、大きな負担なく、育休を取ってもらうことができました。

▽大切な社員や家族のため
企業にとって売り上げと同様に、社員やその家族の幸せも重要です。受注量を減らしたり、応援を頼んだり、やりくりが大変な時もありますが、社員の家族にも安心を与えられますので、育休は会社としてあった方がいいですね。

▽これから育休を取得する社員の声
以前、先輩がとっていたので、制度があることは知っていました。妻の負担を考えると利用したほうがいいと思い休暇をとることにしました。現場の数は時期によって異なるので、私の休暇中は仕事量を調整してくれます。柔軟に対応してもらいありがたいです。

▽株式会社Bignine
業種:建築業
事業内容:建築工事一式請負
創業:2019年
所在地:金谷扇町3597

■仕事と育児・介護の両立支援セミナー
日時:12月13日(金)午後1時30分〜5時
場所:プラザおおるり 大会議室(3階)
講師:稲毛珠里(いなもじゅり)氏(社会保険労務士)、山内里佳(やまうちりか)氏(特定社会保険労務士)
内容:共働き・共育て時代の職場づくりと法改正対応など
対象:市内企業の経営者・人事労務担当
定員:各回30社(1社につき2人まで)
申込:12月5日(木)までにQR(本紙掲載)から電子申請

▽おすすめポイント
・育児休業と介護休業についても学べます。
・参加企業1社ごとに専門家が付き、悩みを受け付けます。
※男性の育休推進など、男女共同参画に関する情報は、こちらの「しまだぱれっと」をご覧ください(二次元コードは本紙掲載)。
・企業の人事担当の皆さん必見です!

問合せ:市民協働課
【電話】36-7121

■職員に寄り添いながら、育休を取得できるより良い環境を整えたい
島田掛川信用金庫 人事部
齊藤文香(さいとうあやか)さん

昨年度、同様のセミナーに参加しました。男性の育休の取得率は年々上昇していますが、適正な人員配置など、課題が浮き彫りになっていることが分かりました。近年、学生向けの企業説明会では、男子学生からも育休に関する質問を受けます。採用活動では育休の取りやすさも大切なポイントなのだと、改めて感じます。
印象的だったのは、企業と従業員の間で育休に関する認識にギャプがあること。当庫でも育休を取りたいと思うお父さんを応援しています。それぞれの家族に寄り添い、より良い形で休暇が取れるようにサポートしていきたいですね。

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