学童という言葉を知っていますか。
学童とは、保護者が働いている放課後や夏休みなどの長期休みの間、子どもに学びや遊びを提供し、健全な育成を図る場のことを指します。
法律上の名称は「放課後児童健全育成事業」であり、放課後児童クラブとも呼ばれています。
市内には公営のほか、民営の学童があり、日々工夫を凝らして様々な取り組みを行っています。
ここでは、市の学童の状況や、市内の学童で過ごす子どもと、そこで働く人々の姿を紹介します。
■学童について知る
●学童とは その役割と御殿場市の状況
◇学童とは
学童の運営形態は、公営と民営とに分かれ、市内には、公営17カ所、民営15カ所の学童があります。
学童を利用する場合には家庭での保育が困難などの要件を満たしている必要があります。公営の学童の受け入れ時間は、保護者が働いている時間に合わせ、平日の放課後は午後7時まで、長期休み期間中は午前7時30分から午後6時までとなっており、どちらも延長対応を行っています。
また、時間の過ごし方には工夫が凝らされており、民営の学童では、宿題や遊びのほかに、ピアノや英会話などを取り入れている学童もあります。
◇支援員などの配置
学童では支援員と補助員が子どもと過ごします。
支援員は放課後児童支援員認定資格を取得している人で、資格を取得するためには、保育士や社会福祉士などの資格、または福祉施設で2年以上の実務経験を有する人などが、県が行う研修を修了する必要があります。
支援員・補助員のどちらも、保護者が安心して子どもを預けられる場を提供するために、様々な業務を行っています。
なお、職員の配置は原則として1つの学童につき2人以上にするよう国で定められており、その内の1人は支援員でなければなりません。
◇市独自の手厚い配置
学童に入りたくても、施設の不足などにより入所待ちの状態が続く、「待機児童」の問題が全国で顕在化しています。
当市においても、学童の利用者は年々増え続けていますが、学童の施設数は児童数に対して、県内上位であり、校区の垣根を越えて利用が出来る民営の学童の数が増えることで、保護者の需要に応えています。
また、見守りの目をより充実させるため、公営の学童では、市独自に国で推奨されている基準の2倍の支援員や補助員を配置しています。
さらに、研修などにより支援員などの資質向上を図り、安心・安全に学童を利用できるよう、体制を整備しています。
◇御殿場市の学童の経緯
昭和50年当時、女性の就労者が増加する中で、共働き家庭の子育て支援が問題となっていました。
そこで、この問題を解決するために、市民の有志により結成された「学童保育所設置促進会」が、市と連携して、御殿場小学校敷地内の公民館に学童を開設したのが始まりです。
その後、他の小学校の保護者からも開設の要望が市に寄せられ、次第に他の小学校区でも学童が開設されていきました。
当時の学童では婦人会の役員や福祉関係者が働いていましたが、人手不足や専用スペースを確保できない場合は、近隣の学童へ通わざるを得ないという問題が出てきました。
その対策として、小学校の敷地内に学童専用の施設を作り、徐々に独立した形での活動が始まりました。
運営は各学童の保護者会が行っていましたが、仕事後に集まり、学童の会計などの業務を行うことは大変な負担でした。
このような状況を改善するために、平成27年、市は子育て支援課内に放課後児童育成会を設置し、学童は公設公営の運営となりました。
また、民間事業所の参入も始まり、市内の学童の充実につながりました。
●放課後児童育成会
市内の公営学童に関する業務を担い、事務員と相談員の計4人で運営しています。
業務は、学童で働く支援員などの採用や給料の支払いのほか、学童の利用者からの利用料金の徴収、施設の修繕・管理など多岐にわたります。
また、相談員が学童を巡回し、支援員などからの相談に応じたり、より適切なサービスを提供するための指導を行っています。
さらに、支援員などの資質向上を図るための研修を定期的に実施し、学童をより充実したものになるよう、職員一丸となって取り組んでいます。
■学童での生活スケジュール
●放課後
小学校の放課後の時間に合わせ、子どもの受け入れを行っています。
子どもたちは、おやつを食べて一休みした後、授業の復習や宿題などの勉強を行います。
勉強が終わったら、友だちと遊んだり、自分の好きなことをしたりしながら保護者のお迎えを待ちます。
◇スケジュール(神山明倫学童クラブ)
・下校
無事に学校を終えて、学童での新しい時間がスタート!
15:00
・おやつ
腹が減っては勉強は出来ぬ。おやつを食べてエネルギーチャージ!
15:30
・勉強
学校で学んだことを忘れないように、しっかり復習しよう!
16:30
・フリータイム
勉強を終えたら自分の好きなことをしよう!外遊びをしたりおもちゃで遊んだり、お迎えが来るまで楽しい時間を過ごします。
おやつ美味しい!
宿題頑張る!
遊ぶの楽しい!
●長期休み期間中
夏休みなど学校の長期休み期間中には、朝早くから子どもの受け入れを行っています。
子どもたちは、午前中に宿題や読書をしたり、外遊びをしたりして過ごします。
また、夏祭りや運動会など、放課後の時間だけでは出来ないような、子どもが大好きなイベントを開催しています。
◇スケジュール(東小東っ子クラブ)
・読書
今日は支援員さんによる絵本の読み聞かせ。なんの本を読んでくれるのかな。
8:00
・動画鑑賞
9:00
・遊び
外のグラウンドで友だちと元気いっぱいに遊びます。雨の日は、おもちゃとカードゲームがあるから大丈夫!
10:00
・おやつ
10:15
・勉強
12:00
・昼食
13:00
・フリータイム
夏祭りや体験教室など、楽しいイベントが盛りだくさん。今日は茶道教室の先生が来てくれました。初めての抹茶の味は苦いけど美味しかった!
◇保護者の声
学校の長期休み期間中、たくさんのイベントを企画してくれてとても感謝しています。
毎日、学童に通うのを子どもも楽しみにしていて、親としてとてもありがたく、安心して仕事に行けています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>