■はじめに
親の病気や貧困、虐待、育児放棄など様々な理由で家族と暮らせない子どもが、全国で約4万2千人(令和3年度現在)います。
そのような子どもたちの新たな家となるのが、里親やファミリーホーム、児童養護施設、乳児院などです。
中でも、とても心強い家庭となるのが「里親」です。里親は、多くの愛情を子どもに与え、養育するだけでなく、預かる家庭にとっても多くの喜びをもたらす効果がある一方、課題もあります。
平成30年度の日本財団による調査報告によると、里親について約6割の人が「全く知らない」「名前を聞いたことがある程度」で、一般的にはあまり知られていない制度だということが分かりました。
市でも、支援を必要とする子どものため、知識を広め、里親の数を増やしていく必要があります。
里親とは。家庭の想いとは。私たちに出来ることとは—。
今号では、里親について考えます。
◇要保護児童と社会的養護のこと
[図1]
保護者がいない子どもや、保護者に監護させることが不適当であると認められた子どものことを「要保護児童」と呼びます。
要保護児童が暮らしていくためには、様々なサポートが必要です。国や自治体が中心となり、公的に保護や支援を行うことを「社会的養護」といいます。里親も社会的養護のあり方の1つです。
[図2]
要保護児童は、平成23年に全国で約4万6千人いましたが、少子化に伴い10年間で微減しています。一方、虐待の相談件数は年々増えていることなどから、依然多くの子どもたちが支援を必要としていることがわかります。
[図3]
要保護児童たちが受けている社会的養護を見てみると、人数としては児童養護施設への入所者が多いものの、児童養護施設や乳児院への入所者数は年々減少傾向にあります。一方、里親・ファミリーホームへの委託数は徐々に増加しており、多くのニーズがあることがわかります。
《用語》
ファミリーホーム…5〜6人の子どもを里親と補助者で養育する制度
問合せ:子育て支援課
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