■腰椎椎間板ヘルニアについて(その2)~腰椎椎間板ヘルニアの治療法~
今回は前回(5月号No.10)からの続きで、腰椎椎間板ヘルニアの治療について解説します。
ヘルニアと聞くと、皆さんは手術を想像されるかもしれませんが、実は手術を必要とするものは少ないです。過去の報告によると8割近くは手術ではない保存治療で改善するといわれています。そのため、まずは安静や鎮痛剤内服、ブロック注射などによる保存治療を試みます。手術はこれらの治療で症状が改善しない場合や、足の麻痺(まひ)などが出てきた場合に行います。特に運動や仕事をしている若い患者さんは、長く痛みが続くことにより社会生活に支障が出てきてしまうため、早めに手術を決断することもあります。手術法としては、背中側から切開して神経をよけ、ヘルニアを摘出するというものです。傷が小さい内視鏡による手術法もありますが、利点や欠点もあるため主治医とよく相談して決めることが大切です。
最近は注射1本で治療が可能な、より体に負担の少ない「椎間板内酵素注入療法」という治療法も登場しています。次の機会には、この新しい治療法について解説します。
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