初島海底送配水管布設替工事(令和4~6年度口径φ150mm×6,707m台船に載せた新しい管を海底に沈めている様子)
県唯一の有人離島である初島へは、昭和55年に布設された海底送配水管で水の供給を行っていましたが、今後、初島の生活用水安定供給を維持するため、44年ぶりに更新工事を行っています。
市では、50年、100年先も皆さんが安心して飲める水道水を届けるため「安全」「強靭(きょうじん)」「持続」を兼ね備えた水道事業を目指しています。
今月号では、市水道事業の現状についてお伝えします。
◆水道管の老朽化と更新工事
市の水道事業は、全国で17番目に早い明治40年に創設されて以来、117年が経過し、水道は社会基盤を支えるライフラインとして欠かせないものになっています。
一方で、高度経済成長期に集中的に整備された多くの水道施設は法定耐用年数を過ぎ、老朽化が深刻な問題となっています。(グラフ(1))
老朽化した管をそのままにしておくと、腐食による水道管の破裂により、漏水や断水が発生する可能性が高まるため、計画的に管路の更新工事を進めています。(グラフ(2))
今後も経営状況をみながら管路更新を計画的に進めていく必要があります。
グラフ(1)
グラフ(2)
◆管路経年化率
令和4年度現在の法定耐用年数(40年)を超えた水道管の長さの割合を示しており、水道管の老朽度合いを示します。
市は全国や類似団体と比べ耐震性のない古い水道管の割合が高く、早急に耐震化を進める必要があります。
◆管路更新率
令和4年度に更新した水道管の長さの割合を表しており、水道管の更新ペースや状況を把握できます。
市は全国や類似団体と比べ更新ペースは早いのですが、それでも全てを更新するのに40年以上かかります。
◎能登半島の震災では、老朽管や非耐震管の破損による断水が多く発生しました。災害に強い水道施設が求められています。
◆市の配水池数は県内一
市は、他市町と比べると多くの配水池を所有しており、その数は政令市を除き県内で一番多く、維持管理費も膨大です。
これは、山に囲まれた傾斜地の多い熱海特有の地形によるものです。
水圧が低く水の出が悪くなったり、逆に水圧が高すぎて蛇口などが壊れてしまうことのないよう、適切な場所に配水池を設置し、各家庭などへ届ける水圧を調整しています。
このように、地域特性による水道施設の多寡や水源水質の状態により、水道料金が各市町により異なります。
安心安全を守りつつ、安価な料金を保てるよう、事業経営を進めていきます。
◎市内配水池の数は109個!維持管理にたくさんの費用がかかります。
※詳しくは広報紙P3をご覧下さい。
◆水道事業収支
水道事業は独立採算で運営しているため、利用者からの水道料金で施設整備や維持管理を行い、安心安全な水を届けています。
令和4年度の収支は次のとおりです。
◆健全経営を維持するための取り組み
少子高齢化に伴う給水人口の減少などにより市の給水量(水の使用量)は減少傾向にあり、今後も減少する見込みです。
このような中でも健全経営を維持するため、水道施設の統廃合や受水費の削減、民間活力の導入など、今後もさまざまな取り組みを行っていきます。
問合せ:水道温泉課経営企画室
【電話】0557-86-6484
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