プラスチックを扱うからこそ地球環境に正面から向き合い、技術とアイデアで持続可能なものづくりに挑戦する、香川の企業を紹介します。
◆川崎化工株式会社
【住所】観音寺市豊浜町和田乙1248番地3
創業:1967年
設立:1986年
従業員数:44人
【電話】0875-52-2929
【HP】https://kawasakikako.co.jp/
■プラスチック成形のプロが挑む“持続可能”なものづくり
◯高いシェアを支える現場主導の生産体制
創業以来、観音寺市で一貫してプラスチック成形に取り組む川崎化工。長年にわたって研究開発・改良を重ねた独自の加工技術を持ち、ボトル型ウエットティッシュ容器の生産では国内トップシェアを誇ります。
プラスチックの成形方法は、溶かした筒状の樹脂を金型で挟み、内部に空気を吹き込み内側から膨らませて型に張り付ける「ブロー成形」と、凸凹でセットになった金型の隙間に溶かした樹脂を流し込む「射出成形」の主に二つ。ブロー成形は中空の容器をつくるのに適し、射出成形は複雑な形状にも対応できるという特徴があります。「どちらか一方に注力する会社が多いのですが、当社はブローと射出の両方の設備を有しているため、幅広いオーダーに対応することができます」と、代表取締役社長の川崎功雄(かわさきいさお)さん。
顧客から厚い信頼を得る同社ですが、川崎さんが入社した2011年当時は、生産段階でヒューマンエラーの多さが問題になるなど組織として課題の多い状態だったそう。このままではいけないとの思いから川崎さん主導で機械化を進め、若手が中心となって品質・生産管理や出荷配送まで見直した結果、大幅な改善に成功しました。川崎さんは「今では現場に立つ技術者自らが品質水準を守る工夫を提案・実践できているので、社長に就任してからは現場に口出しすることがほぼなくなりました」と社員への信頼を語ります。
◯知識と経験を生かし環境にやさしい製品を開発
持続可能な社会の実現のため脱プラスチックの気運が高まる中、「長年プラスチック製品を作り続け、プラスチックをよく知る当社だからこそ、この問題に他の誰よりも積極的に取り組みたい」と川崎さん。今年から新たに自社ブランド「カワカコ」を立ち上げ、植物などの再生可能な有機資源を原料とするバイオマスプラスチックに特化した商品開発・販売を推進しています。
バイオマスプラスチックは、ごみの発生や化石資源使用量を減らしCO2排出量を抑制するエコな素材である一方で、成形の難しさが課題とされていますが、同社は独自の加工技術でこの問題を解消。ブランド商品第一弾として、ひっくり返すとどんぶりになるヘルメット型の容器「うどんヘルメット」を開発しました。今年2月に東京で開催された展示会に出展したところ、大手雑貨店や全国各地の道の駅などから引き合いがあり、驚くほど盛況だったそう。
「きっかけづくりとしてインパクトのあるものを作りたかったんです。万人に支持されるより、この商品を面白いと思ってくれる層にとことん訴求していくことで、当社を知ってもらえれば」と川崎さん。「『カワカコ』では、プラスチックの代替品にとどまらない、バイオマスプラスチックならではの商品を展開していきます。さらに魅力的なアイテムを作り出して、バイオマスプラスチックの可能性を広げていきたい」と展望を語りました。
◎遊び心満載の「カワカコ」第一弾アイテム「うどんヘルメット」
◎「気温などによって日々変化する樹脂の状態を見極め、最適なものづくりができたときは達成感があります」とやりがいを語るブロー成形部門工場長の平川喬司(ひらかわたかし)さん
※詳細は広報紙8~9ページをご覧ください。
問い合わせ先:(公財)かがわ産業支援財団 取引支援課
【電話】087-868-9904
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