地域に密着し、住民の安心と安全を守る「丸亀市消防団」。現在、市消防団には、1団本部と17分団、総勢614人(10月1日時点)の団員が活動しています。団員たちは、火災や震災などの災害現場で、消防職員と連携しながら消火や人命救助、避難誘導などにあたるほか、平時は防災啓発活動や応急手当の指導などを行っています。今回の特集は、地域防災の要とも言われている「消防団」について紹介します。地域の安心と安全を守るため、あなたも消防団員として活動してみませんか。
◆そもそも消防団員って?
消防団は、市町村の非常備の消防機関です。消防団員は本業を持ちながら、ひとたび火災や災害が発生すると、いち早く現場に駆け付けて消火活動や救助活動、避難誘導などを行う、非常勤の特別職公務員です。さらに、住民への防火指導や巡回広報、特別警戒、応急手当指導など地域に密着した活動を行っています。
消防団の活動に対しては、報酬が支給されるほか、消防団員応援制度※を受けることができます。
◆消防団員の不足が深刻に
総務省消防庁によると、全国では高齢化や人口減少などを理由に消防団員数が年々減少しており、市の団員数も条例定数698人に対して84人不足しています。また、団員の平均年齢も上がってきており、若者の入団が期待されています。
災害に強いまちづくりのためには、地域のことをよく知る消防団員の力が必要です。市では、一緒に活動していただける団員を随時募集しています。
◆消防団でスキルアップ
消防団員は、災害や防災、救急に関する幅広い知識を学ぶため、いざという時に命を救えるスキルを身に付けることができます。人を救うための知識やスキルがあれば、突然家族が倒れたり、事故に遭ったりしても落ち着いて対応でき、「自分にもできる」といった自信にもつながります。
また、消防団活動を通して、普段あまり交流のない世代や異業種の人たちと関わることができるので、視野も広がります。
■消防団員にInterview
◆男女のニーズの違いを配慮して、困った人に寄り添いたい
「地域のことをもっと知りたい」と思っていたときに、近所の消防団員に誘われ入団しました。女性消防団は幼稚園や保育所、学校などに出向き、子どもたちに紙芝居やクイズなどで災害時に身を守る方法を伝えたり、地域住民に応急手当の講習をしたりしています。初めは新しいことを覚えることが不安でしたが、やってみると楽しいし、地域の人や子どもたちからも喜んでもらえることがうれしいです。
現在、女性団員は28人。幅広い世代の仲間と楽しく無理のない範囲で活動しています。また、消防団活動を続ける中で防災意識が高まり、防災士の資格を取得しました。今後、南海トラフ地震が発生すると予測されていますが、避難所などでは女性だからこそできる役割があると思っています。男女のニーズの違いを配慮して、困った人に寄り添える支援をしていきたいです。
山口 典子さん
自営業
団本部付・女性消防団部長
入団16年目
◆消防団活動で地域に恩返しを
消防車好きの息子と一緒に近所にある屯所に消防車を見に行ったとき、知人の消防団員に誘われたことがきっかけで入団しました。これまで、火災発生時の残火処理や消防訓練、消防車両で火災予防を呼び掛ける防災パレードなどの活動に参加しました。
消防団活動は、訓練などで厳しい面もありますが、それ以上にやりがいがあります。有事の際に地域を手助けし、自分の大好きなまちを自分たちで守れることが何よりうれしいです。消防団活動を通じて知り合えた仲間も多く、地域とのつながりがより強くなりました。消防団は、職場でも家庭でもない、もう一つの私の活動場所になっています。
また、消防団として地元行事に参加することもあり、たくさんの人と交流できるのも楽しいですね。これからもできることで地域貢献していきたいです。
安土 康貴(あづちこうき)さん
会社員
第10分団・団員
入団2年目
◆消防団員になるには?
消防団には、市内に在住、在勤、在学している18歳以上の健康な人であれば、どなたでも入団できます。また、ライフスタイルに合わせて活動に参加できます。興味のある人は、近くの消防団員または市消防本部総務課までお問い合わせください。
【電話】25-4003
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