■はじめの一歩
性自認で悩む人が、心の葛藤や苦悩を話すのをテレビで見たことがあります。しかし、当事者の思いを知ろうとせず、その報道をただのニュースとして聞いてしまうと、当事者の本当の葛藤や苦悩は分かりません。
実際に、その葛藤や苦悩を直接聞く機会を得たときに、事実を知ろうとせずにいた自分の人権意識の低さに気付かされることがあります。知ることやつながることで、その人の人権を守ること、さらには自分の周りの人たちや自分自身の人権について考えることにもつながります。
部落差別においても、差別の現実に学び、実態を知ろうとしないと、差別の本質や根深さなどに気付くことができずに、差別を見抜く力もつきません。部落差別はする側の問題であり、人権教育の中心的課題として捉えられています。しかし、実際にこの差別を自分事として考えている人はどれだけいるでしょうか。自ら知ろう、差別されている人とつながろうとしたとき、差別の不合理な点や自身の差別意識にあらためて気付くことができるのではないでしょうか。
身の回りには、知らないことで差別に気付かないことがたくさんあります。だからこそ、正しく知ることが差別を無くし、人権を考えていく“はじめの一歩”と考えます。
市では、「同和対策審議会答申」が出された、8月11日を含む1週間を『わたしたちの同和問題週間』としています。この機会に、私たち一人ひとりが家庭や地域、職場などで同和問題のことを考え、「差別の意識を次の世代に残さない」という認識のもと、この問題を自分事として考えていくことが大切です。
問合せ:人権課
【電話】24-8811
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