文字サイズ
自治体の皆さまへ

子どもの健康相談室

27/40

香川県土庄町

■思春期の貧血
小豆島中央病院小児科 山本真由美先生

思春期は、鉄分が足りなくなることによる貧血がみられやすい時期の一つです。
この時期は、身体が急激に成長します。部活などで激しい運動をすると、消費が増えるといわれています。ダイエットをしたり、生活が不規則になったりして、食事から十分鉄分を摂ることができないこともあります。女子は、月経のため出血量によっては鉄が多く消費されます。
体の中の鉄は、減ってもすぐに貧血になるわけではありません。実際に体をめぐっている鉄のほかに、肝臓に貯蓄されている鉄があるため、まずは貯蓄の鉄を使って貧血にならないようにします。貯蓄が少なくなると赤血球を十分作るだけの鉄が供給できなくなるので、最終的に鉄欠乏性貧血になります。
思春期の鉄欠乏状態は、顔色が悪い、運動時に今までと違って疲れやすくなった、朝起きにくい、などで気づかれて受診され、血液検査をして見つかることが多いです。ときに全く気付かれておらず、例えば小学校4年生や中学校1年生で町で実施している小児生活習慣病予防健診の血液検査でたまたま貧血に気づかれることもありますが、実際に診察してみると、顔色はやはり貧血を疑わせる顔色であることが多いです。
検査では、貧血だけでなく、肝機能や腎機能に異常はないか、甲状腺というホルモンがきちんと分泌されているか、ほかの病気が隠れていないか、なども合わせて確認する必要があります。便を検査して、胃や腸で気づかれていない出血がないかも確認することがあります。
治療は、食事や薬で鉄を十分摂ることです。貧血まで至っていなくても貯蓄の鉄がだいぶ減っているようなら治療が必要です。数か月必要なことも多いです。
思春期は、鉄欠乏が起きやすい時期であるということを知っておき、食事などから十分摂れるように意識しましょう。

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU