土佐町 農畜林振興課
営農指導員 千頭健司
◆土づくりについて
1.良い土とは、水はけ、水もちが良く堆肥のような有機物を多く含んでいる土です。
(1)根が十分に張れる。
(2)通気性と排水性が良い。
(3)保水性・保肥性にすぐれている。
(4)適正な酸度である。
(5)清潔である。
(6)異物が混ざっている。
(7)微生物が多く含まれる。
2.良い堆肥を畑に施すことで、土壌は単粒構造から団粒構造に変わり、水もちや、排水が良くなる。
(流れについて)
堆肥を畑に入れる
→微生物に食事が与えられ・微生物が増殖する
→微生物から分泌物が出る
→その分泌物が土の粒子を固め、粒状になる
→土のなかに隙間ができる
→隙間ができて水はけがよくなる
→さらに粒状の土の水の表面張力によって、水もちもよくなる
3.連作障害の症状について
(ナス科)ナス、トマト、ピーマン、シシトウ、ジャガイモ
・青枯れ病…元気な株が急にしおれて枯れる。
・半身萎凋病…葉の片側が黄色くなり、やがて全体に広がり枯れる。
・センチュウ類…野菜の根に寄生してコブができ根から養分や水分を吸収することができなくなり萎れて枯死する。
(ウリ科)キュウリ、スイカ、メロン
・つる割れ病…株が急にしおれて褐色になり、地際部にはヤニが出て割れたりし手枯れる。
・つる枯れ病…葉や茎に褐色で裂け目のある病斑ができて枯れる。
・センチュウ類…(ナス科と同様の症状である)
4.連作障害を防ぐ方法について
(1)輪作
畑を4~5区分に分けて、作る野菜を毎年回転させていきます。これを輪作と言います。
(2)太陽熱による土壌消毒について(米ぬかの利用方法)
特定の微生物が過剰になっているような土壌には、米ぬかを土にすき込んで太陽の熱を利用することで土壌消毒をして連作障害の対策ができます。
・畑100平方メートルあたり20kgを間安に米ぬかをまく。
・土にしっかりすきこんで、畦を立てたら透明のビニールで覆う。
・20日~30日放置して太陽熱で消毒する。
・その後、うねは崩さず野菜を植え付ける。
(3)病気に強い接ぎ木を植える。
接ぎ木のメリット
・生育が早く、収量が多い。
・肥料の吸い上げがよい。
・病気がつきにくい。
◆ミニ情報
(1)もみ殻燻炭の特徴について
無数の目に見えない小さな穴があいている状態なので、これを土に入れると、水はけ、通気性がよくなるほか、保水性。保肥性も高まると言われ、微生物のすみかにもなるなどさまざまな効果が期待できます。またPHが8~10でアルカリ性資材なので、酸性土壌を中和する目的でも使えます。
(2)ジャガイモの栽培で連作障害が発生する原因と対策について
ジャガイモは2~3年くらいは同じ場所に育てても大丈夫ですが、長年にわたって同じ場所で育て続けると、連作障害が出てくる場合があります。
ジャガイモはナス科の作物ですが、同じ「科」の作物を前や後に植えてしまうと連作障害が起こりやすくなるため、ナスやトマト、ピ-マンなどの野菜は続けて同じ圃場(ほじょう)で植えないようにしましょう。
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