■南部町の現状
令和5年12月に国立社会保障・人口問題研究所が公表した「日本の地域別将来推計人口(令和5年推計)」によると、2050年の南部町の人口は2020年から約38%減少し6,378人、そのうちの約47%を65歳以上の高齢者が占め、15歳から64歳の生産年齢人口は、約46%減少し2,820人になると推計されています。
人口の減少もさることながら、生産年齢人口の減少は、地域の活力に直結します。働き世代の割合が少なくなると、暮らしを支える人材不足となり、現在のような産業構造も大きく変わり、さらに集落やコミュニティの維持が困難になることも予想できます。
つながりの希薄化や担い手の減少など地域社会が確実に変化する中、持続可能なまちをめざした地域福祉の取組が進められています。
■地域福祉とは
″地域福祉〞とは、誰もが住み慣れた地域で、孤立することなくゆるやかなつながりを感じながら、安心して自分らしく暮らせる社会をめざすことをいいます。
南部町では、このまちで暮らす一人ひとりが主役の福祉のまちづくりを「南部町地域福祉推進計画」を基に進めています。日々の暮らしの中で、自分一人で解決できない困り事に直面したときに、助け合える関係づくりができる小さな支え合いの場を地域に作り参加することで、自助・互助・共助・公助の連携によって解決していく仕組みづくりを行っています。皆さんも、自分のできることから始めてみませんか?
◆南部町地域福祉推進計画とは?
南部町地域福祉推進計画(以下、「計画」)は、町民の誰もが、いきいきと活躍し、心をつないで支え合い、安心して住みなれた地域で暮らし続けることができるよう、町民・地域の皆さん、事業者、社会福祉協議会、行政が連携・協働し、”オール南部町”で福祉のまちづくりをめざす取組の指針となる計画です。令和3年3月に策定され、5か年の取組を進めています。
○基本理念
みんながいきいきと活躍し、心をつないで支え合う共生のまちづくり
住みなれた地域で、すべての住民が安心して日常生活を営み、人と人とのつながりを大切にし、社会、経済、文化、その他あらゆる分野の活動に生きがいを持って参加できる地域社会を実現することを計画の基本理念とします。
○基本目標
1 住民参加の促進と福祉活動の活性化
2 相談機能の強化と包括的支援体制の構築
3 保健・医療・福祉サービスの充実と質の向上
4 地域で安心して暮らせる基盤づくり
◆こんな取り組みを進めています
○重点取組
基本目標に基づき、基本計画を策定し施策を実行しています。
その中でも重点的に取り組んでいる4つの重点取組があります。
(1)地域振興協議会における福祉機能の強化
誰もが気軽に集える場づくりや、地域の生活課題の発見・相談、見守りや生活支援といった支え合い活動が豊かに広がっていくことをめざします。
(2)福祉学習の推進と担い手づくり
学校や地域で福祉について学ぶ機会がより充実するようにします。地域福祉を担うボランティアなどの人材の発掘・育成・活躍の促進を図ります。
(3)共生型総合相談体制の構築
福祉の専門職や行政と住民との協働による課題発見機能の強化と、どこに相談しても必要な支援が丸ごと受けられる支援体制の強化を進めます。
(4)健康づくりの推進
人が集まる拠点となる「集いの場」を中心に、健康づくりの取組がますます充実し、誰もが健康でいきいきとした暮らしができる社会をめざします。
◆重点取組のひとつ、地域振興協議会の福祉機能強化
○福祉推進事務局の設置
地域振興協議会単位で福祉推進事務局の設置を進めることで、地域運営や福祉について話し合う場を設けています。
それぞれの地域の将来や課題について考えることで、住みなれた地域で安心して自分らしく暮らす仕組みを作る、福祉活動の展開を進めています。地域福祉を切り口に持続可能なまちづくりをめざしていきます。
○定例ミーティングの実施
今年度から、地域振興協議会と行政(福祉担当・まちづくり担当)、町社会福祉協議会で定例のミーティングを実施しています。地域が抱える課題や進めている取組について共有し情報提供を行うことで、地域福祉の推進に向けて協働しています。
○福祉コーディネーターの配置
地域福祉の推進支援や、地域福祉活動のコーディネート・企画・立案などに携わる福祉コーディネーターを地域振興協議会単位で配置しています。
現在、東西町・南さいはく・手間の各地区で3名の福祉コーディネーターが活動しており、今後も増員を予定しています。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>