■中学校の部活動が無くなる
桜が満開を過ぎたころ、自宅に一本の電話がありました。「法勝寺中学校裏にある町民グラウンドが草におおわれ無残な姿をさらしている。それを見かねたSさんが、クワ一本で草取りをしておられる。町長もグラウンドを見に行ってほしい」という内容でした。
中学校での部活動は、生徒のスポーツ・文化活動を通じて責任感や連帯感、好ましい人間関係の形成など教育的意義も高く、これまで中学校教育を支えてきました。しかし、近年、少子化によって生徒が減少し、部活動を維持継続することが困難な状況が起こっています。特に運動部では団体競技において単独ではチームが組めない学校が増加しています。さらに教員の負担軽減も相まって、国では学校部活動を地域に移行する方針を示しています。
問い合わせの場所は、法勝寺中学校野球部の練習グラウンドでしたが、近年は部員の減少によって南部中学校へ送迎し合同練習をしています。野球部の他にも、ソフトボール部、バレーボール部等で法勝寺中学校と南部中学校合同での部活動が行われています。
南部町では、令和8年度を目標に、学校部活動を南部町型地域クラブ方式への移行を各学校・スポnetなんぶ・公民館等と連携して進めており、学校部活動は地域移行する方向で検討課題を整理しています。
その日、グラウンドにSさんの姿はありませんでしたが、丁寧に根から掘り上げて積まれた草の山の数に、並々ならぬグラウンドへの愛着を感じた次第です。しかしながら、利用がない限り荒れていくことは避けられません。後ほどお会いし、グラウンド整備のお礼と部活動の現状をお話いたしました。町民の皆様にも有効利用についてご意見をいただければ幸いです。
南部町長 陶山清孝
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