■みんなで拓く人権文化253
◇「ハンセン病」について正しい知識を持ち、偏見や差別をなくしましょう
皆さんは、「ハンセン病」について、正しい知識をお持ちですか?
「ハンセン病」は、かつて「らい病」と呼ばれ、遺伝病と誤解されたり、恐ろしい病気(不治の病)とされたりして、患者の強制隔離も行われました。そして、患者・回復者(元患者)のみならず、その家族に対して、極めて厳しい偏見や差別が存在しました。悲しい歴史と言わざるを得ません。
(1)「ハンセン病」は、遺伝病ではありません。
ハンセン病は、決して遺伝しません。かつては、遺伝病と誤解され、そのことが、本人だけでなく、家族までもが差別される一因となっていました。
(2)「ハンセン病」は、「らい菌」による感染症です。
ハンセン病は、非常に感染力の弱い「らい菌」という細菌による感染症です。「らい菌」は、病原性が弱く、感染したとしても、発症することはほとんどありません。もちろん、完治した人からは感染しません。
(3)「ハンセン病」は、治ります。早期治療で後遺症も残りません。
ハンセン病は、優れた薬が開発されたことにより、現在では確実に治療できる病気になりました。早期治療により、後遺症を残すことなく完治できます。
今日では、国による強制隔離政策は終了し、国も長引いたその政策の誤りを謝罪しています。しかし、偏見や差別が全くなくなったというわけではありません。私たちは、「ハンセン病」の歴史を正しく学び、二度と同じ過ちを繰り返さないよう努力しなければなりません。私たちの社会に根深く残る「ハンセン病人権問題」について理解を深め、あらためて、ハンセン病患者、回復者(元患者)、その家族が経てきた境遇について、正しく受け止める必要があります。
私たちみんなが、間違った情報や思い込みに惑わされることなく、正しい知識を持って偏見や差別をなくしていきましょう。
〔※17ページに「国立ハンセン病療養所の訪問参加者募集」について掲載しています〕
■インターネットの使い方を振り返ってみましょう~あなたの使い方は、大丈夫ですか?~
インターネットは、私たちの生活になくてはならない「暮らしを豊かにする便利な道具」となりました。しかし、名前や顔を知られずに情報を発信することができるため、多くの問題が発生しています。インターネットを利用するうえで「人権」について考えることは、豊かな日常生活を安心して安全に過ごすために、とても大切で必要なことです。
近年、他人を誹謗中傷したり、あるいは、偏見・差別を助長したりするような情報を発信するといった悪質な事案が急増しています。いったんメールや掲示板に掲載(公開)された情報(文言、写真、動画など)は、完全な削除や回収が困難です。悪意のある情報発信は、同様の書き込みを次々と誘発し、取り返しのつかない重大な「人権侵害」に変貌しかねません。
インターネットを利用する私たちは、加害者にも被害者にもならないために、モラルを高め、ルールを守って活用することが大切ではないでしょうか。あなたの使い方は、大丈夫ですか?
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