■オーラルフレイルについて
岩美病院 歯科口腔外科
◇オーラルフレイルという言葉をご存じですか?
オーラルフレイルとは、『口腔(オーラル)』の『虚弱(フレイル)』という意味で、加齢に伴い、噛む、飲み込む、話すなどのお口の機能が衰えることを指し、早期の重要な老化のサインとされています。オーラルフレイルは全身のフレイルの前段階とされ、深い関係性が指摘されています。
※フレイルとは、高齢になって心身の活力(筋力、認知機能、社会とのつながりなど)が低下した状態をいいます。多くの人が健康な状態からこのフレイルの段階を経て、要介護状態に陥ると考えられています。
◇あなたもオーラルフレイルかも?
・固いものが食べにくく、やわらかいものを食べる・むせることが多くなった
・口が乾きやすくなった
・滑舌が悪くなった
・義歯を使用している
・長期間歯医者に行っていない
・食べこぼしをする
など、当てはまった方はオーラルフレイルの危険性が高いかもしれません。このような“ささいな衰え”がオーラルフレイルです。歯やお口の機能が衰えると、話すことが減ったり、食生活に影響を及ぼすため栄養状態が悪化し、筋力が痩せ、体力が低下し外出することも少なくなるなど、全身に悪影響を与えます。しかし、このような負の連鎖にならないよう、早期に気付き対処すれば食い止めたり、回復することが出来ます。お口の健康を保つことが、全身の健康維持へとつながります。日頃からご自分のお口の事に関心を持ち、意識してお口や歯のケアをしていきましょう。
◇オーラルフレイル対策をしましょう!
(1)お口の中を清潔に保ちましょう
・歯ブラシでの清掃に加え、歯ブラシの届きにくい歯と歯の間はデンタルフロス(糸ようじ)や歯間ブラシなどの補助用具も毎日使用しましょう。
歯ブラシだけの歯垢除去率は60%程度ですが、デンタルフロスや歯間ブラシを使用する事により80~90%まで除去率を上げることが出来ます。
・義歯を使用されている方は、義歯を外してブラシを使ってこすり洗いを行い、義歯洗浄剤も定期的に使用しましょう。
(2)お口のトレーニングをしましょう
・飲み込みのトレーニング
はっきりと大きな声で『パ』『タ』『カ』『ラ』をそれぞれ10回繰り返します。お口周りの筋力と飲み込む力を鍛えます。むせることが多い方にお勧めです。
・舌のストレッチ
『べー』と舌を出し、舌先で上唇を触り、左右の口角を舌先で触れます。舌を鍛え動きが良くなる事で、食べたり飲み込みがスムーズになります。
(3)定期的な歯科受診をしましょう
オーラルフレイルの予防には定期的な歯科受診が重要です。口の中の病気はしずかに進行し、症状が出た時には重症になっているという場合が多くみられます。そうならないよう定期的に歯科受診をしましょう。
☆岩美病院歯科口腔外科では予約にて定期検診も受け付けています。お口や歯のお悩み事があればお気軽にご相談ください。
■3月の休診日のお知らせ
脳神経内科…3月6日
眼科…3月12日、3月28日
問い合せ:岩美病院事務局
【電話】73-1421
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