文字サイズ
自治体の皆さまへ

智頭病院だより

10/20

鳥取県智頭町

■『おくすり手帳』を持ちましょう!
薬剤師 大原達也

▽おくすり手帳の特徴
おくすり手帳は、これまでに自分が服用してきた薬を記録する手帳のことです。具体的には、薬を処方してもらった日付、処方箋を出してもらった医療機関、薬の名前と量、服用の方法、服用に関する注意事項、調剤した薬局の名前などが記載されます。おくすり手帳は全国の調剤薬局(保険薬局)、病院などで受け取ることができます。

▽お薬手帳の歴史
お薬手帳は、1993年日本国内の患者15人が別々の病院から抗ウイルス剤と抗がん剤の処方を受け、その2製剤を併用して死亡した事件をきっかけに導入が検討されるようになりました。この事件は、薬が別々の医療機関から処方されたため併用に気づけず、重篤な副作用が発生したというものでした。
2年後の1995年1月17日、阪神・淡路大震災が起こりました。その際に、糖尿病などの慢性疾患の患者に対し継続して出来る最低限の医療は、それまで服用していた同じ薬を提供することでした。しかし、救護所では、診療に関する記録がなく、患者の記憶から得られる情報も薬の形や色に限られることが多いため、同じ薬を渡すことが困難な事態が起きました。それ以来、災害における備えの意味でも認知され、急速に普及するようになりました。

▽お薬手帳の利点と活用方法
医療機関を受診した際はお薬手帳を持参して記入してもらうことが大切です。そしてその後、複数の医療機関にかかったとしても、薬の重複や飲み合わせなどを避ける事が可能となります。
また、入院となった場合、薬の最適な選択に役立ちます。救急外来受診時には、治療の判断材料になります。
お薬手帳は本人自身が書き込むことも可能です。ドラッグストアで購入して服用した薬を記入しておくことをお勧めします。近年、同成分の薬が市販薬、処方薬の両方から入手可能であり、過剰服用の危険性が指摘されています。
また、以前は薬局でお薬手帳を提出すると医療費が高くなっていましたが、現在は、一部の例外を除き、お薬手帳を持参すると医療費は安くなります。

▽未来のお薬手帳
今やスマートフォンの普及により、お薬手帳のアプリを活用することができる時代になっています。オンライン診療に追従する方向でオンライン服薬指導も進行しています。飲み合わせ禁忌の警告や服用時間のお知らせなどを、スマートフォンが教えてくれる日も近いかも知れません。

問合せ先:国民健康保険智頭病院
【電話】75-3211

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒107-0052 東京都港区赤坂2丁目9番11号 オリックス赤坂2丁目ビル

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU