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智頭病院だより

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鳥取県智頭町

■帯状疱疹は麻酔科へ 帯状疱疹と帯状疱疹後神経痛の話
麻酔科ペインクリニック 藤田好雄

▽帯状疱疹とはどんな病気?
帯状疱疹は「みずぼうそう(水痘)」と同じ水痘・帯状疱疹ウイルスによる病気です。
多くの人が子供の頃に「みずぼうそう」にかかりますが、治った後も、ウイルスは神経の根元などに潜んでいます。
年齢を重ねたり、体調を壊したりして、身体の抵抗力が低下したときなどにウイルスが元気になり、ほとんどの場合、片側の一つの神経の範囲に水泡や発赤、痛みを生じる病気です。胸などに出ると帯のように見えるので帯状疱疹というのではないかと思いますが、顔や上肢、下肢など、どこにでも生じます。
発症率は1年間で1000人あたり約3~4人で、年間50万人程度罹患します。そして、6カ月後でも10~15%は痛みが残るといわれています。

▽帯状疱疹後神経痛について
皮疹(水泡や発赤など)は自然に軽快します。痛みも急性期を過ぎると軽快することがほとんどです。しかし、中には帯状疱疹後神経痛といって、1カ月あるいは3カ月が過ぎても痛みが続く場合があります。高齢者、皮疹がひどかったり、痛みの程度が強かった場合などは、帯状疱疹後神経痛に移行する確率が高くなるといわれています。
痛みの性質は、灼けるような、うずくような、刺すような痛みです。また、衣服が触れたり、風にあたるだけでも、ピリピリしたり、チクチクしたりする特殊な痛みを合併することもあります。

▽治療について
帯状疱疹の発症早期に抗ウイルス薬を投与することで、ウイルスの増殖を抑制し、皮疹の重症化を防ぎ、神経の変性を最小限にしますが、帯状疱疹後神経痛の予防にはならないと言われています。
治療の一番の目的は、帯状疱疹後神経痛にならないため、最初から積極的に痛みを抑えることが重要で、皮膚の変化だけに捉われてはいけません。そのために薬ばかりではなく、痛みの激しい時には神経ブロックなども併用します。
また、帯状疱疹後神経痛になると、一般の痛み止めはほとんど効かないため、神経障害性疼痛治療薬や抗うつ薬、抗痙攣薬など特殊な治療を必要とします。
これらの治療について、当院では麻酔科で実施しています。

▽帯状疱疹ワクチン
近年、帯状疱疹の発症が増加傾向にあります。そこで、帯状疱疹ワクチンも使用されるようになりました。2回接種で、予防効果は90%程度で、9年くらい効果があるといわれており、智頭病院でも接種可能です。
帯状疱疹かなと思ったら、麻酔科、ペインクリニックに相談してください。

問合せ先:国民健康保険智頭病院
【電話】75-3211

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