~近年増えつつある『鳥獣被害』について被害の状況と対策を特集します~
イノシシ
ヌートリア
シカ
カラス
近年、中山間地域を中心にイノシシなどによる農作物の被害が深刻化しています。米、トウモロコシ、果実など農家の皆さんが時間をかけて育てた作物が、イノシシやカラスなどの鳥獣によって収穫できない状態にされてしまうことを、農作物の『鳥獣被害』と呼んでいます。
農林業を守り、地域産業を維持していくためにも、適切な被害防止対策を行い、安心できる生産活動ができる環境を目指しましょう。
■鳥獣被害を防止するためにできること
(1)エサを放置しない
稲刈り後のひこばえ、収穫残渣の野菜くず、放任の柿の木など、動物にとってエサとなるものは非常に多いです。
無意識の餌付けにならないよう気をつけましょう。
(2)防護柵で正しく囲う
電気柵の高さが適切でなかったり、ワイヤーメッシュを設置している地面に穴が空いていると効果が出ない場合があります。
設置後は定期的な点検と柵下の草の手入れが必要です。
(3)隠れ場所を作らない
耕作放棄地は動物の隠れ場所になりやすいです。耕作地の近くに隠れ場所があると、その分鳥獣被害も増えてしまいます。
作付けしない場合でも、草を刈るなど隠れ場所にならないよう管理しましょう。
(4)捕獲活動
イノシシやシカなどの捕獲を行い個体数を減らすことも必要です。農地の作物を食べることを学習したイノシシなどは、繰り返し侵入を試みます。
防護柵の設置とあわせて、捕獲活動を行うことで、効率的に被害を防ぐことができます。
■県内の被害の状況
鳥取県の鳥獣による農作物等被害額は、平成16年度にイノシシによる被害額が1億3,000万円を超え、その後平成18年度には4,000万円近くまで下がりました。その後増減を繰り返し、近年は徐々に被害額が減少していますが、令和5年度は5,300万円を越える被害額となっています。
■町内の被害の状況
鳥取県農業共済などの報告があった琴浦町内における令和5年度の農作物被害面積と、被害額は次のとおりです。琴浦町全体の被害面積は208.6a、被害額は227万円になります。報告のあがっていない自家用栽培などの被害もあると思われますが、それを含めると実際の被害は報告以上に大きいと思われます。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>