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自治体の皆さまへ

基幹相談支援センターだより(12)

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鹿児島県伊佐市

◆トラウマ(こころのケガ※)
今回はなかなか目には見えにくいトラウマについての情報をお伝えします。

◇どんな状態?
とても怖くて、辛くて、自分でもどうすることもできなかった「出来事」を体験したことで、こころや身体にいろいろな症状が出ることが続いて生活にも影響が出る状態です。

◇こころのケガになることのある「できごと」の例
・災害(地震、火事など)や事故で怖い思いをした
・暴力を振るわれたり、ひどいことを言われたりした
・いじめられた
・暴力や激しい喧嘩、人の死を見たりした
・大切な人が急に亡くなったり居なくなったりした
・嫌なのに身体を触られたり、抱きつかれたりした
・子どものころ、食事の準備や身の周りの世話をしてもらえず、一人で過ごす時間が多かった など‥

◇どんなことが起きるの?「反応」の例
・マイナスの考えや気持ちでいっぱい
・ボーっとしてしまう
・怖かった出来事を急に思い出す
・周りの人とうまくいかない
・イライラして落ち着かない
・身体の調子が悪い
・出来事を思い出さないように避ける

※こころにケガをしたら、このような状態になるのは当然のことで、本人が悪いわけではありません。

◇どんなことが起きているの?「こころのケガの仕組み」
こころのケガの記憶が整理されていないままでいると、些細なことで脳のアラームスイッチが押され、心と身体が「非常モード」になります。その反応として感情が不安定になったり、人と関わることを避けてしまったりします。しかし本人が困っている状況にもかかわらず、周りの人からは問題行動をしている「困った人」と扱われ、更に本人を苦しめてしまうことがあります。

◇回復にむけての取り組みは?
安全な環境のなかで、周りの理解と協力を得ながら回復をめざします。まずは、こころのケガについて知り、少しずつこころの体力をつけていくことが大切です。
そのためにはこころのケガの反応がどのようなときに起きるのか、きっかけやパターンに気づくこと。また気持ちが落ち着かずざわざわしたときの対処法を考えておくことも良いかもしれません。例えば手軽にできるリラックス法(深呼吸やストレッチなど)を試してみたり、楽しめることやほっとできることをしてみたりすることも効果的です。そして、普段の生活の中でできそうなことを少しずつ取り入れることも大切です(例:朝決まった時間に起きる、昼間は体を動かす機会を作る、夜はしっかり休む)。
このように、いくつかの取り組みを紹介しましたが、人によって合う合わないがありますので、実際にやってみて、合うものは取り入れてみてはいかがでしょうか。取り組む気力がないほど不調が続く場合は専門機関へ相談することをお勧めします。
最後に、こころのケガは人との関わりで癒されるといわれています。このような状態で困っている人がいることを知った上で、その人への理解や安心できる環境について考える機会を作ってみてはいかがでしょうか。

※より身近に感じてもらうために「こころのケガ」と表現しています

参考:子ども情報ステーション by ぷるすあるは

問い合わせ:伊佐市基幹相談支援センター(伊佐市役所福祉課内)
【電話】0765-23-1317

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