【01 子どもの「食育」で大切なこと】
◆子どもにとっての「食育」
子どものうちに健全な食生活を確立することは、生涯にわたり健全な心身をつちかい、豊かな人間性を育んでいく基礎になるとされています。
子どもは日々成長し、その生活や行動も変化していきます。「食」は、味わって食べる、食事を作る準備をする、食に関する情報を得て利用する等、様々な行動の組み合わせによって営まれます。「食」に関わりながら成長し、楽しく食べる子どもになっていくことが大切です。
◆「食」の課題と現況
子どもたちが抱える「食」の大きな課題として、規則正しい生活を送ることができていない子どもが多い点があげられます。「食」は子どもの心身の成長と発達に大きな影響を与える大切な要素の一つです。朝食の欠食や栄養の偏り、肥満等子どもの「食」を取り巻く環境は複雑化しています。また、大人の食事情からも影響があります。このようなことから妊娠期、乳幼児期からの取組や、家庭だけでなく、学校、行政等と連携した食育の取組が不可欠です。
○垂水小学校(40人)・垂水中央中学校(67人)食生活等に関するアンケート(令和4年度時点)
中学生は、小学生と比べて朝食を食べていない人が多くなっています。また、休日の場合も同様で、且つ3割の人が毎日朝食を食べていません。理由として「起床時間が遅い」または「食欲がないから」という理由が多くを占めました。
Q1.平日は朝食を食べますか。
Q2.休日は朝食を食べますか。
◆楽しく食べる子どもに成長するための大切な事
[1]食事のリズムがもてる。
1日3回「いただきます・ごちそうさま」でメリハリのある生活。
[2]食事を味わって食べる。
様々な食品に親しみ、五感を使っておいしさの発見を繰り返す。
[3]一緒に食べたい人がいる。
皆で食べる楽しさを体験し、信頼感を深め、人との関わりを広げる。
[4]食事づくりや準備に関わる。
家族や仲間との交流を図る。
[5]食生活や健康に主体的に関わる。
食べ物や身体の話題に親しみ、食べものに興味と感心を持たせる。
●垂水市保健師だより
▽お母さんの妊娠期から子どもの「食」をサポートします!
垂水市職員 保健師 元山さん
本市は、母子手帳交付時に妊婦さんに対し、妊娠期からの食生活に関する情報提供を行い、ママパパ教室や乳幼児健康診査、離乳食教室等を通じて、噛むこと、味わうこと等の食への関心を高め、食べることの楽しさを伝えるよう心がけています。
また、「食」は生活習慣と大きな関連があることから、乳幼児期からの生活リズムの形成や、食べる意欲、噛む力を育むため、歯科に関する取組にも力をいれています。
乳幼児健康診査では保健師のみならず、管理栄養士や歯科衛生士による個別相談も行っています。各種教室については何回でも参加可能ですので、気軽にご参加ください!
健康診査や教室に限らず、食事のことでお困りのことがありましたら、いつでも保健課にお電話等でご相談ください。
■子ども各時期の食育アドバイス
▼乳児期
○食育の第一歩!一人ひとりの個人差を考えて食育
授乳は食育の第一歩。赤ちゃんの個人差を考えて進めることが大切です。離乳は18か月頃までに完了し、ミルクや母乳は離乳の進行状況に応じて与えましょう。
▼幼児期
○しっかり身につけたい「食べる力」の基礎づくり
幼児期は生涯にわたってしっかり身につけたい「食べる力」の基礎づくりの時期です。「食」を生活リズムに組み込み、発達に応じて身につけていきましょう。おやつは食事のひとつですが、とりすぎには注意です。乳歯でのむし歯にも気を付けましょう。
▼学童期
○食習慣の形成 「給食の献立も参考に!」
健康づくりの基礎となる食習慣の形成の時期です。朝食を食べ、家庭で正しい食生活を送りましょう。糖分・脂質の多いものを摂りすぎず、食塩も控えめに。
▼思春期
○栄養不足に注意
発育の盛んなこの時期の偏った食生活や、欠食などによる栄養不足は、将来の健康にも大きく影響します。規則正しい食生活を心掛け、レバー・牛肉・卵黄・ほうれん草などを摂って貧血予防に取組みましょう。
■垂水市の「食育」に関する取組
○食文化の伝承/郷土料理を学ぶ料理教室
食文化への関心を高めるために、料理教室や講座等において、肝属地区生活研究グループ垂水支部等の支援・協力のもと、ユネスコ無形文化遺産に登録された「和食」や、地域固有の食文化、郷土菓子などについて保護・継承普及活動を行っています。
・肝属地区生活研究グループ垂水支部
地域の農に目を向け、食育や地産地消の推進を図ることを目的に活動しています。
○食に対する感謝の心を育む/田植え学習
食べるという行為が貴重な動植物の命を受け継いでいること、そして、食事に至るまでに生産者等の多くの人々の努力によって支えられていることを実感し感謝の気持ちを持つことができるよう、様々な体験活動や情報発信を行っています。
■垂水市の「学校給食」に関する取組
○地場産物の活用/「たるみず楽農百笑倶楽部」
子どもたちに地域の食べ物や食文化に触れさせることが、将来にわたる地場産物の活用につながると期待されます。地元生産者で構成される農家グループ「たるみず楽農百笑倶楽部」と連携し、地場産物の学校給食への納品や農業体験等を行っています。
○栄養満点の学校給食/旬の食材、郷土料理も。 「令和5年度の2学期から市内小・中学校の給食費無料化!」
本市の学校給食は、過去に全国学校給食甲子園という全国大会で優秀な成績を収める等、外部からの評価も高く、栄養バランスのとれた給食です。地元産や県内産の食材利用にも努め、定期的に生産者及び保護者とのふれあい給食等を通じた交流も設けています。
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