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■「健康寿命」と「健口寿命」~歯の健康が健康寿命を延ばす~
「今月お話するのは歯科衛生士の古山です。」
みなさん「健口寿命」という言葉を聞いたことがありますか?
介護なしで自力で生活できる期間を「健康寿命」、何でも噛んで食べることができる期間を「健口寿命」といいます。この期間が長いほど、健康で生活できる期間が長くなると言われています。
◇「オーラルフレイル」は全身の老化につながります
口の健康は、身体の健康を維持するために重要です。
「オーラルフレイル(口腔の虚弱)」とは、口の機能の衰えが全身の老化につながるという考え方です。
歯の喪失や加齢により、口の機能が低下すると、食欲の低下を招いたり、バランスの良い食事をとることが難しくなり、低栄養の状態を招きます。さらに栄養状態が悪化すると身体活動にも支障が出てくる可能性があります。
このような症状はありませんか?
・むせる・食べこぼす
・やわらかいものばかり食べる
・食欲がない
・活舌が悪い・舌が回らない
・歯が少ない
・よく噛めない
・口が乾く
・口臭が気になる
1つでも該当したら、オーラルフレイルが始まっているかもしれません。口の衰えの症状は、単体でみると日常生活に大きく影響しないため、高齢だから仕方がないと見過ごされやすく、注意が必要です。
◇オーラルフレイル対策4大ポイント
1.歯みがき習慣
・食事の後は、歯を磨く
・磨き残しがないように磨く順番を決める
2.歯の健康を保つ食習慣
・バランスのとれた食事
・よく噛んで食べる
3.定期的な歯科健診
・「かかりつけ歯科」を決め、半年に1回は受診
・総義歯(入れ歯)の方も1年に1回は受診し、粘膜、義歯のかみ合わせの状態を診てもらう
4.日頃からの口の健康づくり
・唇や頬のトレーニング…頬を膨らませたり、すぼめたりを3回繰り返す
・舌の体操…舌を出したり、ひっこめたり、上下左右に動かす
◇お口元気歯ッピー健診
この健診は、毎年無料で76歳・80歳の対象者に実施している、口と口の機能の検査で、今年度からは78歳の方も対象になります。
受診券は6月初旬より順次、オレンジ色の封筒で届きます。
健康でおいしく食べて長生きしていただくために有効な健診となり、定期的に歯科治療をされている方や、義歯を使用中の方も対象になります。
また、市では80歳で20本以上の歯を維持する「8020運動」を推進しています。本年度は、11月までに「お口元気歯ッピー健診」を受診された80歳の方で、自分の歯が20本以上ある方に表彰を実施しますので、早めに受診ください。
健診の主な内容:
・歯、歯ぐきの状態確認
・義歯の状態確認
・口腔状態の確認
・噛む力、飲み込む力の評価など
健診の対象者:
76歳(昭和23年4月1日~昭和24年3月31日生まれの被保険者)
78歳(昭和21年4月1日~昭和22年3月31日生まれの被保険者)
80歳(昭和19年4月1日~昭和20年3月31日生まれの被保険者)
■8020達成者の声
令和5年度8020達成者のうち、自分の歯が30本残っていた2人に歯のために気を付けていることを尋ねてみたところ、「必ず毎食後歯みがきをしている」「食事のバランスに気を付けて、しっかりと噛んで食べている」とお答えいただきました。日々の積み重ねが秘訣のようです。
問い合わせ先:有明庁舎 保健課健康増進グループ
【電話】474‒1111(内線194)
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