■新庁舎とともに 新たな歴史のはじまり
町長 今井力夫
町民の皆様、新年明けましておめでとうございます。2024年、令和6年の新春を健やかにお迎えのこととお慶び申し上げます。
町民の皆様におかれましては、日頃から本町行政にご理解とご協力を賜り、心から感謝申し上げます。昨年を振り返りますと、ロシアのウクライナ侵攻の激化、とりわけ10月7日、世界に衝撃を与えたイスラム組織ハマスによるイスラエルへの大規模攻撃、それに対するイスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への空爆により多数の一般市民が犠牲になっています。一刻も早い戦闘休止と世界の恒久平和が一日も早く訪れるように願ってやみません
また、地球環境の悪化による異常気象が続いています。温暖化ガスの排出削減は待ったなしの状況であります。2023年は観測史上最も暑い年となっています。南極の氷は過去最小となり、複数の島が水没の危機にさらされています。一方、干ばつや熱波などが猛威を振るい、これまでに経験のない自然災害が世界中で多発しており、「ストップ・ザ・温暖化」は待ったなしの状況になっています。
2024年は、十干十二支で見ますと甲辰(きのえたつ)の年。昇り龍などに描かれるように、上昇し勢いを増しながらぐんぐんと成長していく活気あふれる年になると言われています。本町におきましては、「子や孫が誇れる町づくり」を町政の基本方針に据え、子や孫の世代に住みよい地球環境を引き継ぐことを今を生きる大人の責務と考え、知名町は二酸化炭素を極力出さない環境に配慮した町づくりを推進しております。これからの低炭素社会に向け、誰もが利用しやすく、町民に親しまれ、省エネルギーと自然エネルギーを導入し、島の自然を生かし、環境に配慮した新庁舎も3月に完成予定でございます。
新庁舎と同時に全ての公共施設への自然エネルギーの導入、老朽化した公共施設の再整備と更新を進めます。特に、長年の悲願でありました水道水の軟水化に向けた新たな水道管の敷設と平行し、おいしい水を提供する水道設備の設計をスタートさせます。また、旧庁舎跡地の利活用、安心して通行できる道路整備など「いつまでも住み続けたい環境整備」「子どもからお年寄りまで安心して暮らせる町づくり」「未来を支える産業競争力の強化と次代を担う人材づくり」「沖縄との交流促進、那覇と奄美群島間の航路航空路運賃の大幅な軽減」に国や県、関係機関のご協力をいただきながらその実現を図っていく所存でございますので、町民の皆様のご理解とご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
結びに、新しい年が町民の皆様と知名町にとって素晴らしい一年となりますようご祈念申し上げ年頭のご挨拶といたします。
■地域の愛で育まれる子どもたち
教育長 田中幸太郎
町民の皆様、新年明けましておめでとうございます。皆様におかれましては、健やかに新年をお迎えのことと存じます。
さて、昨年度の生涯学習フェスティバルにおいて、福祉作文で最優秀賞を受賞した知名小学校3年の古波倉大洋さんは、『祖父は、青い服のスーパーヒーロー』と題し、約30年間、毎朝交通安全指導を行う祖父を見て、「人の役に立つことが何よりも幸せと感じ、長い間、毎朝ぼくたちの安全を見守る祖父のことを、ぼくは心からそんけいしています。ぼくは、そんな祖父のことを〝青い服を着たかげのスーパーヒーロー〟として、金メダルをおくりたいと思います。」と述べています。また、同じく最優秀賞を受賞した知名小学校5年の久山茜さんは、「自まんの知名町」と題し、「この島は、子どもたちのことを、全力で応えんしてくれる大人がたくさんいる。少年団では、やさしく教えてくれる先ぱいや、時にはきびしく、時にはやさしく指導してくださるコーチ、夏休みには、高校生のお姉ちゃんたちに宿題を教えてもらった。(中略)今度は、私が沖永良部のためにがんばる番だ。これからは、後はいたちのがんばっていることに協力してあげられる先ぱいでいたい。」と述べています。教育的土壌、支持的風土という言葉がありますが、この2名の発表内容は、まさにその豊かさを象徴しており、子どもたちを取り巻く地域社会全ての皆様に、改めて深く感謝を申し上げる次第です。
ところで、昨年は、奄美群島が日本に復帰して70年の年に当たり、様々な記念事業が行われました。特に、熾烈な二島分離反対運動を展開した先人が魂の叫びとして歌った「復帰の歌」の歌碑を沖永良部高等学校内に建立できたことは、歴史を後世に語り継ぐ上で極めて意義深いことでした。学校教育では、明治から続く沖永良部秋季教育研究大会の研究公開を小学校部会・中学校部会ともに本町で開催し、教員相互に研修を深めることができました。社会教育では、正名字の塩づくり体験学習、遠藤航選手のサッカー教室など体験を伴う取組が見られ、社会体育では、町民体育大会がコロナ以前の開催状況に戻りました。町小・中学校音楽発表会では、出演者全員で高らかに「知名町町歌」を歌い、町歌の普及に向けて大きな一歩となりました。
令和6年度は、町教育振興基本計画策定の年に当たります。県の計画を踏まえ、本町の基本目標「自分を高め、心豊かで郷土を愛する『知名人(ちなんちゅ)』の育成」を堅持し、実態に即した計画を策定してまいりたいと考えています。また、教員の資質向上や子供たちの学力・体力の向上、心の教育などにも取り組むとともに、コミュニティ・スクールの機能を高めてまいります。
本年も、教育行政に対する皆様の御理解・御協力と子供たちに対する深い愛情を心よりお願い申し上げ、年頭の御挨拶とさせていただきます。
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