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自治体の皆さまへ

“見える”をこれからも

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鹿児島県霧島市

■今見えている目の健康を維持していくためにできることを考えます。
緩やかな視力の低下や、違和感に気付きにくい目の症状。不調のサインを見逃すと、体の他の部分にまで影響を及ぼしてしまうことがあります。

▽眼科受診のススメ
「目の不調を感じていない場合でも40歳を過ぎたら年に一度、※眼底検査を受けましょう」と呼びかけるのは、椎原眼科医院院長の椎原秀樹さん(38)です。
失明の一番の原因は緑内障という病気です。「緑内障は眼圧により視神経が障害され、だんだん視野が狭まる病気です。この病気の厄介な点は痛みなどの自覚症状がなく、視野が狭くなって見えにくいと感じる頃には症状の進行を止められないことです」と表情を曇らせます。緑内障は40歳を超えるとその有病率は5%になるといわれ、症状の進行を抑えるには早期発見が重要。さらに、近視の人は緑内障になりやすいため、近視が進む若年層の緑内障患者数増加が懸念されています。
緑内障以外にも注意する点として「高齢になると、白内障を発症する可能性が高まります。これはレンズの役割を持つ水晶体という部分が白く濁る病気です。自覚症状は目のかすみやまぶしさ、すりガラスのような見え方が挙げられます。また、若い世代の人も学校や職場で検診があると思いますが、それ以外でも眼科にかかる目安として、アイフレイルチェックリストを活用し、普段の生活で気になることがあれば受診しましょう」と勧めます。

▽目の不調は万病のもと
病気以外にも目の奥の痛みや乾燥など、目に起こる不調は多岐にわたります。その不調は目だけでなく、体の他の部分にまで影響することがあります。「目の不調の代表格にドライアイや眼精疲労が挙げられます。スマートフォンやパソコンを使用していると、画面に集中する時間が増えます。すると無意識のうちにまばたきの数が減少し、目の乾燥につながる。これがドライアイの要因ですね。さらにこのドライアイは眼精疲労を引き起こし、頭痛や肩凝りなど体の他の不調につながります。そういった意味で、目の不調は日常生活の質を低下させてしまうといえます。普段の生活を見直し、目をいたわる習慣を身に付けましょう。目のセルフケアを実践してみるのもいいですね」と椎原さんは提案します。

今回の特集は視力低下の仕組みや眼科受診の目安などを紹介しました。
目の不調は誰かに見えるものではなく、異変に気付けるのは自分だけ。普段何げなく見えている風景も目のおかげです。大切な“アイ”棒の健康を今後も維持するために、目に優しい生活を心がけてみませんか。

■アイフレイルチェックリスト
アイフレイルとは、加齢による目の機能低下のことをいいます。
※アイフレイル啓発公式サイトはこちら(本紙PDF版4ページ参照)

▼椎原院長が教える目をいたわる3つのセルフケア
○ぼんやり遠くを見る
遠くをぼんやり眺めると目の筋肉が緩み、目の緊張を和らげることができます。
○時間を決めて使う
目に負担がかかるスマートフォンやパソコンなどは、使用時間を決めましょう。
○目の周りを温める
目の周りを温めると、目からでる油の分泌が促され、目の乾燥を防ぎます。

■INTERVIEW
舞鶴中学校養護教諭
米森 良子さん(65)
○親子で一緒に生活習慣の見直しを
舞鶴中学校では学校健診を通じ、昨年より視力が下がった生徒へ生活習慣の見直しを促す「Eye(アイ)愛メッセージ」を配布しています。また、期末テスト1週間前を「メディアコントロールウイーク」と定め、デジタルデバイスの使い方を保護者と一緒に見直してもらう取り組みを進めています。近視の子どもたちが増えている今、目を守るために当事者の子どもたちだけでなく、家族全員でデジタルデバイスの扱い方を考えるきっかけにしてもらえればうれしいです。

舞鶴中学校3年
泊 宗多郎さん
○私が部長を務める生徒会保体部では、毎月健康や運動に関する目標を定めています。10月は帰りの会などで目の体操を実施し、目について考える運動を学校全体で取り組んでいます。スマートフォンの使用やオンラインゲームを夜遅くまでしてしまうことで睡眠不足になるという話も生徒同士でよく聞きます。みんなが視力を維持できるように、めりはりのある生活を心がけ、今のうちから自分たちで目をいたわることについて考えていきたいです。


※詳細は本紙PDF版5ページをご覧ください。

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