■集められた資源物の行方
分別して資源物として出すペットボトル、瓶、缶、プラスチックなど。回収された後はどのようにして「資源」になるのでしょうか。
《Recycle》
食用油・乾電池・蛍光灯・その他・プラスチック・ペットボトル・びん類・缶類
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ごみ収集車・直接搬入
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天降川リサイクルセンター
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▽油以外の資源物
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選別
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圧縮・整理
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再資源化し、再び商品に生まれ変わる
宮田 航史郎さん(32)
「資源物は、センターできれいに仕分けしています」
▽食用油
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機械で処理し、バイオディーゼル燃料に
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収集車などに給油して利用
霧島市では家庭ごみを可燃ごみ、不燃ごみ、粗大ごみ、市で処理できないごみ、そして資源物に区分しています。さらに15種類に分類される資源物は、リサイクル業者によって資源化されています。
■霧島市の分別はAランク
紙類と古着等、小型家電以外の資源物10種の中間処理を一手に担うのが、(株)国分隼人衛生公社が運営する天降川リサイクルセンター(以下、センター)です。
センターでは、ごみ収集所や直接搬入された資源物を、適切に仕分けされているか選別し、ペットボトルや缶などは機械で圧縮をして、資源化を請け負う業者に引き渡すまでの業務を行っています。
「霧島市民は適切に資源物を分別しているので、異物が含まれていない純度の高い資源物として重宝されます」と話すのは、センターで働く(株)国分隼人衛生公社の宮田航史郎さん(32)。容器包装リサイクル法でリサイクルが義務付けられている資源物は、センターから引き渡された後に抜き打ちで品質調査が行われており、霧島市の評価は全ての項目で最高ランクのA。センター従業員による選別作業も行われていますが、選別にかかる時間は短く、選別作業レーン自体も他のまちの施設に比べてとても短いと宮田さんは言います。「中にはプラスチック製のハンガーや歯ブラシなど、分別を誤っていることもあります。一方で可燃ごみとして捨てられている資源物はまだまだあるので、ぜひ分別して出してもらえたら」
■生まれ変わる
引き渡された資源物は、新たに生まれ変わるために粉々にされたり、溶かされたりして資源化されます。私たちが出す資源物も県内外へと運ばれ、資源化されて新たな商品に生まれ変わっています。例えば、ペットボトルは洋服の繊維や再びペットボトルに、その他プラスチックは再生樹脂などに。とは言え、自分が出した資源物が再商品化されていることを実感している人は少ないのではないでしょうか。
センターでは再商品化義務の対象品目のほかに乾電池、蛍光灯、廃食用油といった資源物も回収しています。中でも油は施設内にある設備でバイオディーゼル燃料として生まれ変わり、その燃料で13台のごみ収集車などを動かしています。もしかしたら今日見たごみ収集車は、あなたが資源物として出した燃料で走っていたかもしれません。
ごみの減量化と再資源化に触れた今回の特集。市ではごみの減量化や資源物の分別を進めるために、さまざまな支援を行っています。限りある資源を未来に残すために、今あなたができることを始めてみませんか。
■ごみの減量化や再資源化を進めるための市からの支援
○電気式生ごみ処理機購入助成
電気式生ごみ処理機の購入額の2分の1(上限2万円)を助成しています。
○出前講座
ごみの分別収集やリサイクルについて、市職員が詳しく説明します。
※詳細は問い合わせるか市ホームページをご覧ください。
問合せ・申込先:環境衛生課
【電話】64-0961
《INTERVIEW》
▽生ごみできれいな花を
電気式生ごみ処理機利用者
西内 幸花(ゆきか)さん(57)
国分在住
引っ越しに合わせて電気式生ごみ処理機の購入を検討していた時に、市の助成制度を知って利用しました。消費電力が少なくにおいが抑えられる物を吟味して選びました。実際に使ってみると、においも音も気になりません。花を育てるのが好きで、生ごみを堆肥に変えられる処理機はわが家で大活躍。重い生ごみを捨てに行くこともなくなり、今後も長く使っていきたいです。
▽持続可能な地球環境を次世代に
サントリーホールディングス(株)
サステナビリティ経営推進本部
(地域共創)資源循環グループ担当部長
平田 哲夫さん(60)
市と協定を結び、使用済みのペットボトルを新たなペットボトルに生まれ変わらせる「ボトルtoボトル」水平リサイクルを4月1日から開始しています。リサイクル先を「見える化」することで分別意識の向上につながり、化石由来原料の新規使用をゼロにできれば100%の再資源化が実現します。取り組みの一環で次世代環境教育「水育(みずいく)」の授業などの実施も、今後行っていく予定です。
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