■橋口五葉(はしぐちごよう)「ベゴニアほか」、「バラ」(五葉百花譜(ごようひゃっかふ)より)
□花を愛した五葉の植物画
秋咲きの花を楽しめる季節となりました。橋口五葉は、自ら草花を育てめでる、大の植物好きでした。テレビドラマなどの影響で注目されている植物画ですが、実は五葉も図鑑を思わせる美しい作品を残しています。
花を季節や種類ごとに記録したものを花か譜ふといい、総数約百点のさまざまな花からなる五葉の作品は「百花譜」といわれています。その多くは植物の種類を特定することができるほど細密で、本作ではベゴニアやバラなどが描かれていますが、繊細でみずみずしい表現から、彼の花への愛情が感じられます。このような写実的描写は、植物をモチーフにしたデザインの仕事にも生かされていきました。
目にも鮮やかで香りまでも感じられそうな植物画を、ぜひ当館でご覧ください。
※12月10日(日)まで開催する「秋の所蔵品展」で10点を展示しています
問合せ:市立美術館
【電話】224-3400【FAX】224-3409
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