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ふるさとの文化財探訪 第79回

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大分県九重町

珪藻土と化石(双石(なめいし))

文化財調査員 衛藤 銑太

九重町は、良質な淡水産珪藻土(けいそうど)と化石の出土で有名な事はご存じだと思います。私の住む奥双石(おくなめし)を中心に周辺地域は、昔から珪藻土の採掘が盛んで、私も父と一緒にツルハシとスコップで珪藻土を採掘した記憶があります。
珪藻土は、藻類(そうるい)の一種である珪藻の化石からなる堆積物です。太古の昔、玖珠盆地が湖であったころ湖の底に堆積し、大量の珪藻の殻が長い時間をかけて地層の一部になったのが珪藻土です。
珪藻土は、様々な産業分野で利用され、七輪や耐火煉瓦(たいかれんが)の原材料をはじめ、戦時中はダイナマイトなど火薬の原料や、食べられる土としてビスケットやパンの増量剤に使用されていました。最近ではビールのろ過材や、自然素材として建築物の塗り壁材やバスマットなど巾広く使用されています。珪藻土を採掘していると時々、石状の細長い化石や丸い化石が出土します。地元ではこの化石の事を双石(なめいし)と呼んでいます。細長い化石を半分に割ってみると主にコイやマスなどの淡水魚の化石が現れます。丸い化石は、貝、種子、昆虫などがよく出ます。化石は非常に硬く、きれいに半分に割るのは大変難しくなかなかきれいに割れませんでした。
化石のことをどうして双石(なめいし)と、呼んでいたかは地域の人も詳しく知りませんけど奥双石という地名と何か関係があるのではないかと思います。
奥双石の町道沿いには大分県地質遺産マップで、別府・九重地溝群(活火山帯)で紹介されているジオサイトを見る事が出来ます。昔の自然状況とは違い道路が整備されたり、周辺の山など珪藻土の採掘が進み地域も様変わりしてきましたが、自然豊かなこの地域で生活する中で、珪藻土という希少な化石資源の土壌のうえにある地域として、これからも地質や地形を大事にしていきたいものです。

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