◆子どもたちの幸せに協働で取り組む
8月3日から9日まで、アメリカの姉妹都市プリマス町からの訪問団の来町を機に、8月8日、七ヶ浜・プリマス教育懇談会「七ヶ浜サミット2023」が七ヶ浜国際村で開かれました。
メインテーマは、「子どもたちが将来幸せになるために大切なものは何ですか?」。
この懇談会を通して見えてきたものは、日米の子どもたちを取り巻く教育環境の違いと先生方の子どもたちに対する熱い思いでした。
▽4年ぶり5回目のサミット
七ヶ浜・プリマス教育懇談会は、2016年に姉妹都市交流でプリマス町を訪問した際に開かれたのが始まりでした。以降、互いに訪問した地で開催され、今回はコロナ禍の影響で、2019年から4年ぶり5回目の開催となりました。
これまでの懇談会のテーマは、日米の教育環境やグローバル人材育成などで、毎回、熱心な意見交換が行われてきました。
今回、懇談会に参加したのは、プリマス町からは副議長のケヴィン・キャンティさんはじめ、行政の代表であるタウンマネージャー、教育委員会副委員長、学校の先生ら6名。七ヶ浜町からは寺澤町長をはじめ、英語コミュニケーション科の先生ら12名。通訳も兼ねて国際村職員、国際交流員、外国語指導助手も加わり、計22名が4つのグループに分かれ、向洋中校長の髙橋松雄さん進行のもとディスカッションが行われました。
▽大人が支える重要性
髙橋:2022世界幸福度ランキング(図1)によると、幸福度1位はフィンランド、2位がデンマーク、アメリカは16位で日本は54位でした。
幸福度がランキングされているものの、今世界中には様々な問題があります。一番大切なことは、将来、子どもたちが幸せになることではないでしょうか。
今日のメインテーマです。
『子どもたちが将来幸せになるために大切なものは何ですか』について考えてみましょう。
大橋:グループ4の話し合いでは、子どもが将来幸せになるために一番基本になるのは家族である、という意見が出されました。ジャクリン家族が基本というのは私も賛成です。生徒にはいろいろな背景を持った家族がいます。ですから、私たちはその生徒を支えるために信頼関係を築く環境づくりをしていかなければなりません。
後藤:グループ3では、まず、大人がいろいろなことを楽しむことが大切だということでした。子どもたちは、生きていく中でいろいろなトラブルを経験します。この時、トラブル=不幸せと捉えてしまわないように、大人がトラブルを乗り越えて幸せにつながる姿を見せていくことが大切ではないかという意見が出されました。
『マズローの欲求5段階説』を基に子どもが5段階の欲求を上る過程で、大人が支えていくことの重要性を話し合いました。
《図1》2022世界幸福度ランキング
国連が設立した非営利団体「持続可能開発ソリューション・ネットワーク」が世界各国の居住民の幸福度を定量化し、幸福指数として発表しているもの。
《参加者》
※詳しくは広報紙をご覧下さい。
《マズローの欲求段階説》
※数字は欲求段階
(1)生理的欲求:食欲など生きていく上のために必要な欲求
(2)安全欲求:安全・安心な暮らしへの欲求
(3)社会的欲求:友人や家族から受け入れられたいという欲求
(4)承認欲求:他者から認められたいという欲求
(5)自己実現欲求:あるべき自分になりたいという欲求
※マズロー アメリカのブランダイス大学教授(心理学、1970年没)。教育心理学の生みの親と呼ばれ、今も世界の教育大学で学ばれている。
<この記事についてアンケートにご協力ください。>