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【特集】共に支え合うまちを目指して(2)~障がいのある人と、寄り添う人の思い~

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山形県新庄市

◆聴覚障がいと共に育つ
(一社)山形県聴覚障害者協会理事 前島誠一(まえじま せいいち)さん
山形県聴覚障がい者情報支援センター前所長 小野義邦(おの よしくに)さん

今回お話を聞いた前島さんと小野さんは、共に子どもの頃から日常の音がほぼ聞こえないという重度難聴の聴覚障がいがあり、音の無い世界を生きてきました。幼少の頃は他の子どもたちとうまくコミュニケーションを取ることができず、一緒に遊ぶことも少なかったそうです。中には交流してくれる友人もいましたが、障がいを理解していない人たちからは奇異の目で見られることが少なくありませんでした。
二人とも県立山形ろう学校に入学しました。当時の教育方針は口話・聴能が絶対的なものであり、学校では手話で話すことができなかったそうです。隠れて手話を練習し、卒業後から本格的に手話を使い始め、さまざまな人とコミュニケーションができるようになりました。

◆こんな時には…
聴覚障がいのある人とない人を外見で見分けることは難しいです。そのため、災害などの緊急時には、避難する際や避難所などで障がいのない人と同様に音声のみで案内をされることがあります。
二人とも「聴覚障がいを持った人が周りにいた場合には、筆談やジェスチャーで構わないので、ぜひ伝えてください。また、コミュニケーションを取るための簡単な手話を学校教育の場などで子どもたちに教えてほしいです。」というお話をしていました。

◆生きるための手話
聴覚障がいのある人同士が手話で会話しながら笑い合っていたとしても、手話が分からない人にはその意味が分かりません。同じように、聞こえる人同士が笑いながら会話していても、聴覚障がいのある人にはそれが伝わりません。この二者の間には大きな壁があり、手話をみんなが使えるようになることでしかその壁を取り除くことはできないと小野さんは言います。「手話は聴覚障がい者の命そのものなのです」

◆社会と関わるからこそ広がる理解がある
昔は聴覚障がいがあることを恥ずかしく思い、人前に出ることを避け、隠れるように暮らしていたこともあったそうです。しかし今は周囲とコミュニケーションを取ることが、社会生活を営む上で最も大切だと二人は感じているそうです。
最後に聞いた言葉がとても印象的だったので、紹介します。
「もし、これから何らかの原因で聴覚障がい者になったときは、そのことをきちんと周りに表明してほしいと思います。自分自身のことをきちんと相手に伝え積極的にコミュニケーションを取っていくことが、障がいへの理解を広げバリアのない社会をつくっていくことにつながります」
皆さんも思いを形にする「手話」という言葉を使って、聴覚障がい者に寄り添ってみませんか。

◆—伝えたい思いを音に―「声の広報」
新庄・最上地域シルバー人材センター 鈴木久子(すずき ひさこ)さん
図書館ボランティアサークルかやのみ会 小林純子(こばやし じゅんこ)さん

本市では、市が発行している広報紙などの情報を視覚障がいがある人に届けるために、広報紙を読み上げたものを録音して配布する「声の広報事業」を行っています。
広報しんじょうはシルバー人材センターに、広報しんじょうおしらせ版と新庄市議会だよりは、かやのみ会にそれぞれ委託しており、鈴木さん、小林さんが読み上げを担当しています。
音声のみで情報を伝えるため、読み仮名の確認はもちろん、写真やイラストなど、文字以外の情報を伝える工夫を行ったうえで収録しているそうです。
二人とも、誰が声の広報を聞いているのか分からないものの、聞いてくれている人のために声に表情を付けてみたり、季節ごとのメッセージなどを添えたりして、音に思いを込めているとのことでした。
現在の「声の広報事業」は視覚障がい者を対象に実施しています。しかし、高齢化、老化などにより視力が低下している人も増えてきています。こうした人たちにも、自分たちの「声の広報」が届くようになれば嬉しいと話してくれました。

◆—伝えたい思いを形に―「手話奉仕員」
山形県手話通訳問題研究会会長 佐藤牧子(さとう まきこ)さん

「手話を学んだきっかけは、学生時代に友人から誘われて手話サークルに参加したことでした。それ以来、手話と関わり続け、手話歴は今年で40年になりました」そう話してくれた佐藤さんは、新庄市内で唯一、山形県に登録している手話通訳者であり、さまざまな場面で手話通訳を行っています。
本市では、手話ができる方を「手話奉仕員」として登録しています。社会生活を営む上で周囲とのコミュニケーションが必要となる場合に、聴覚障がいのある人から依頼があると、手話奉仕員を派遣します。
佐藤さんが手話奉仕員として聴覚障がいのある人と手話で会話していたとき、それを見ていた子どもから「あの人たち、おかしいんじゃないの」と言われたことがあったそうです。この言葉の中に、聴覚障がいと手話への理解不足があることを痛感し、「もっと手話を広めなければいけない」という思いで活動を続けています。
現在、佐藤さんなどが中心となって、手話教室を年20回ほど開催しています。「聴覚障がいがある人って、みんなおしゃべりが好きなんですよ。手話を使える人が増えることはもちろん、仕事として手話通訳者を目指す人が増えてほしいです。そして、聴覚障がいがある人への理解が広まってほしいですね」佐藤さんのこの言葉には、障がい者に寄り添う優しさがあふれていました。

◆手話教室のお知らせ
手話奉仕員に必要な基礎知識と手話表現技術の習得を目的として手話教室を開催しています。
日時:6月から翌年3月までの月2回程度、毎回19時~21時
場所:市民プラザ
対象:高校生以上
受講料:2000円
今年度の受講者募集は終了しましたが、令和3年度の募集を来年6月頃から開始します。
手話に興味がある方は、市内生涯学習施設に設置してあるチラシを参考に、ぜひご参加ください。

◆やってみよう!手話コーナー
詳しくは本紙・PDF版7ページをご覧ください。

◆聴覚障害者標識
聴覚障がいのある人が運転する車に表示するマークです。危険防止のためのやむを得ない場合を除き、このマークをつけた車に幅寄せや割り込みを行うと、道路交通法の規定により罰せられます。優しい運転を心がけましょう。

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問合せ:成人福祉課障がい福祉推進室
【電話】29-5810【FAX】22-0989

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