文字サイズ
自治体の皆さまへ

「液肥」を活用してみませんか

3/30

山形県飯豊町

令和3年6月、ながめやまバイオガス発電所(添川)で生産された液肥の無償提供が始まりました。この液肥は、隣接する眺山地内の5畜産業者が提供した家畜排せつ物と食品廃棄物を発酵させ、メタンガスを取り出し、メタン発酵後の残りかすから取り出して作られています。
今月は、この液肥について紹介します。

■町の液肥に関する取り組み
平成29年10月、飯豊町は国が推進する「バイオマス産業都市」に認定されました。平成30年6月には「SDGs未来都市」にも選定され、「持続可能なまちづくり」に向け取り組みを進めているところです。
令和2年7月、添川地区に東北おひさま発電株式会社が運営する「ながめやまバイオガス発電所」が完成しました。
この施設は隣接する畜産業者から搬入する家畜排せつ物を原料に、発生させたメタンガスを燃料として発電を行っており、発電と同時にその原料は有機質の液体肥料(液肥)として生まれ変わります。この液肥は堆肥のような有機質と速効性の成分がある良質な肥料です。今後、町内の田や畑に散布され、そこで栽培された米や野菜が各家庭の食卓に並ぶことで、地産地消も含めた資源循環へとつながっていきます。
将来的に既存の有機肥料とともにこの液肥を「持続可能なまちづくり」の起点とすることで、「循環型社会の学習」、「安全安心な地域農産物の提供」、「耕畜連携の更なる推進」など、多様な取り組みへの効果が期待できます。

■自然との共生を目指して
東北おひさま発電株式会社 代表取締役 後藤博信氏
私たちは、家畜排せつ物などを使用したバイオガス発電でカーボンニュートラル(*)の電力を生み出し、環境に配慮した取り組みや環境保全型農業の役に立ちたいと考えております。そして、この液肥を活用し、飯豊町の豊かな自然の中で、環境を大切にしながら手間ひまをかけ、効率とは異なる価値を持つ農産物が生まれ、地域内外で消費されればと思っています。
今後も、この液肥がどのような作物に良いのか、どのようなまき方が有効かなどの研究を、地域の皆さんとともに進めてまいります。
(*)何かを生産する際などに排出される二酸化炭素と吸収される二酸化炭素が同じ量であるという概念

○ながめやまバイオガス発電所駐車場敷地内液肥無償スタンド
利用する場合は、持ち出し名簿に氏名などを記入し、持参したポリ容器などに充填(じゅうてん)してください。

■Point 液肥の効能
家畜排せつ物と食品廃棄物を発酵させ、メタンガスを取り出し、メタン発酵後の残りかすから取り出した液体には、窒素、リン酸、カリウムなどの成分が含まれ、液肥として利用することができます。
なお、この液体は、肥料取締法に基づき、特殊肥料として山形県知事に届け出をしています。

▽速効性
家畜排せつ物は発酵槽と呼ばれる場所で、分解・発酵されます。そこで生じる「アンモニア態窒素」は、速効性があります。

▽病原菌や雑草の種子の不活性化
原料となる家畜排せつ物には、大腸菌やサルモネラ菌といった病原菌や雑草の種子が含まれますが、液肥の生成過程でほとんどが不活性化します。

▽臭気の低減
液肥は処理過程で臭気の原因物質が大幅に減少していることから、従来の堆肥に比べ臭気は大幅に低減しています。

▽化学肥料との併用
化学肥料と併せて利用する場合は、液肥の肥料成分を勘案しながら土づくりを行うことで、効果的な肥料利用が可能となります。また、化学肥料の代替えとしての減肥効果も期待できます。

■Point 利用方法
液肥の主要成分量:
全窒素量0.3% (内アンモニア態窒素0.2%)
リン酸全量0.2%
加里(カリウム)全量0.3%

▽使用例
下記の目安で液肥を使用すると、化学肥料と同等の生育と収量が期待できます
[化学肥料]窒素成分で2キログラム施用≒[液肥]700~1,000リットル施用

▽畑に使用する場合
(1)耕うん前に液肥を均等に全面散布するか、あらかじめ畝(うね)の位置が決まっている場合は、そこを狙い帯状に施用する
(2)散布後はあまり時間(日数)を置かずに耕うんする
(3)野菜などの苗を植え付ける
※種子を直接畑にまく、じかまきは液肥との相性を今後検討する必要があるため、避ける
※追肥の場合には、想定する窒素成分量の7割程度に量を減らし、局所施肥として畝間あるいは株間に液肥を施す

▽水田に使用する場合
(1)耕うん前に全面に均等に散布する
(2)あまり時間を置かず、通常と同じように耕うん、代掻(しろか)き、田植え作業を行う
もしくは
(1)荒代掻き(*1)の後、植代掻き(*2)の4~5日前に水位を勘案しながら、灌漑水とともに水口から液肥を流し込む
(2)通常と同じように植代掻き、田植え作業を行う※灌漑水量が豊富である水田に適している

(*1)最初に行う代掻き
(*2)最後に行う代掻きで、田植えの5~6日前に完了させる

[液肥活用に関して協力をいただいた方々](敬称略)
・大場技術士事務所 大場伸一
・(一財)畜産環境整備機構道宗直昭研究統括官羽賀清典管理・技術部参与
・十勝農業協同組合連合会農産化学研究所
・日本肥糧検定協会
・日本環境科学株式会社
・(株)食環境衛生研究所
・山形県置賜総合支庁産業経済部西置賜農業技術普及課

(9:産業と技術革新の基盤をつくろう)
(12:つくる責任つかう責任)
(13:気候変動に具体的な対策を)

問合せ:役場農林振興課農業振興室
【電話】87-0525

<この記事についてアンケートにご協力ください。>

〒104-0061 東京都中央区銀座3-4-1 大倉別館ビル5階

市区町村の広報紙をネットやスマホで マイ広報紙

MENU